パンケーキ症候群!?

近年になって、再び問題視されているシックハウス症候群は、主にダニやカビなどを原因とするものです。

カビやダニはある程度の湿度を超える環境で繁殖します。

多くのダニは人間にとって無害ですが、チリダニの一種であるヒョウヒダニの死骸や糞が細塵化し、皮膚に着いたり気管に入ったり。

そうする事で発疹やかゆみ・くしゃみ・咳・喘息などのアレルギー症状を引き起こします。

さらに最近では『パンケーキ症候群』なんて聞きなれないものもクローズアップされています。

これは小麦粉などにダニが発生し、それを食べる事で発症するアレルギー症状です。

小麦粉を食べて症状が出る為、これまで小麦アレルギーだと思われていました。

でも実はダニによるアレルギーも少なくない事が分かっています。

ダニは室内が高温多湿になると発生し、目に見えないので知らず知らずのうちに口にしてしまうため注意が必要です。

もうひとつの汚染物質であるカビによる被害は、命を脅かす危険もある症状を招きます。

カビが原因とかる健康被害で最も多いのは、カビの胞子がアレルギーを引き起こす喘息や鼻炎です。

特にススカビと呼ばれるカビの胞子は大きく、これが鼻の中に入ってアレルギー性鼻炎を引き起こすとされています。

加えて、最近はカビによる夏型過敏性肺炎も増えています。

夏型過敏性肺炎の主な症状は、咳と発熱、それにだるさという風邪によく似た症状です。

その為ほとんどの人が放置しがちで、病院でも風邪と誤診される事が多いようです。

抗生物質などで一時的に症状が改善去れるため治ったように思われますが、翌年の夏近くになると再発します。

この夏型過敏性肺炎はアレルギーによる過敏性肺炎のひとつで、原因は室内のカビの一種です。

一度発症すると、このカビの胞子を吸い込むたびに咳などの症状が繰り返し起こります。

数年繰り返すうちに、慢性化して肺機能が弱り、息切れを起こしやすくなります。

さらに悪化すれば肺が委縮し、呼吸不全から危険な状態にもなりかねません。

このカビはエアコン内部に繁殖しやすいという特徴があります。

マンションや気密性の高い住宅などの普及により、空調は全てエアコンで管理する家庭が増える中、新たに問題となってきたのがこの『夏型過敏性肺炎』なのです。

日本の家の温熱環境を改善し、常に快適に過ごすためには、室内空気が外に逃げたり、隙間風が入ってきたりしないような『高断熱・高気密住宅』にする事が必要です。

しかし湿度の高い日本では、気密性や断熱性を高めると結露を起こしやすくなります。

結露が起きるとダニやカビが発生しやすくなります。

こうした事から、高気密・高断熱住宅の普及に伴い、新たな健康被害が増えているのです。

カビやダニが発生する原因は、換気不足による結露です。

この結露が健康被害や建物自体を傷める原因となります。

結露を防ぐためには換気が必要です。

2003年以降に建てられた住宅であれば、24時間換気システムがついています。

でも、その重要性を住まい手に十分説明する事もなく不適切な使用方法による換気不足に陥ってしまう事も少なくありません。

例えば作動音や消費電力を気にするあまり、就寝時や不在時にスイッチを切ってしまうケースです。

せっかく換気システムがついていても、常に作動させていなければ意味がありません。

換気システムを常に作動するか、定期的に窓を開けるなどして、意識して外気を取り込む事が必要です。

また、気密不足や配管不良等による換気不足も多く見受けられます。

24時間換気システムはつければ良いというものではありません。

きちんと機能しない換気システムもまた意味がありません。

高気密・高断熱住宅の工法自体がもつ『思わぬ落とし穴』もあります。

繊維系断熱材による充填断熱であれば、断熱材が湿気を含みやすいため防湿シートを施工します。

これは壁の内外に家をすっぽりと包むように湿気を通さないシートを張る施工です。

このシートに孔が開いたりすれば、湿気は侵入しシート施工の無い場合よりもひどい結果を招きます。

エアコンの取付や内装工事によるシートへの孔や傷に対する配慮も求められます。

住まい手による釘打ちや電話線等に入線も、気密性の確保という点で問題となります。

気密性能を確認する方法として『気密測定』があります。

詳しい説明は省きますが、弊社ではこの測定で得られた『C値』(総隙間面積を実質延床面積で除した値)を0.5以下を基準値としています。(C値は0.1から始まります。数値が大きくなるほど家の隙間が大きい事を表します。)

この数値であれば、室内で発生した湿気が壁体内に侵入する事も無く、24時間換気システムを機能させる事ができます。

1.0以下がギリギリの範囲ではないでしょうか?

C値2.0で高気密住宅なんていっているハウスメーカーもあるようですが、とんでもありません。

上図のように、C値が1では換気システムはその半分しか機能する事ができません。0.5でも66パーセントなんですよね。

ですから弊社では、極力C値を0.1に近づけたいと工夫しています。

また入居後の『C値』の変化も重要となります。

地震による建物の変形や、住まい手による壁の孔明け等の影響で少なからず気密性能は低下していると思われるからです。

上図は、築2~14年経過した『FPの家』のC値と新築時のC値をそれぞれ示したものです。

初期の平均C値0.48。経年による平均C値0.78。

立派な数値だと思います。

FPの家は経年による隙間の増大を抑える事が可能であり、結果として結露を防ぐ事が可能です。

その証が、全てのFPの家に付与される無結露50年保証です。

換気システムが計画通りに機能しているかどうかを確認する方法もあります。

換気風量測定の実施です。

全ての排気口の風量を計測する事で、配管の良し悪しを確認できます。

もちろんFPの家では、全棟実施し計画通りの換気が行われている事を確認した上でお引渡しをしています。

パンケーキ症候群なんて、もう怖くありませんね。

もちろん、住まい手の皆さまの使用状況にも拠りますけど・・・。

  

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