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次のイラストをご覧ください。
穴の空いた浴槽にお湯を張っているイラストです。
放っておけば、お湯は浴槽に空いた穴から外に零れてしまいます。
浴槽から零れた分を新しいお湯で補充する。
現実には、こんな事あり得ないですよね。
普通に考えれば、真っ先に行うのは穴を塞ぐ事だと思います。
テープを貼ったり、樹脂を塗ったり・・・。
浴槽を替えるっていうのもアリですよね。
どう考えても不自然なイラストです。
でも住まいに置き換えてみると、こうした事が当たり前に行われている事に気がつきます。
気密性に配慮していない従来の家(隙間だらけのスカスカ住宅)では、床面積1.0m2当たり9~10cm2程度の隙間があると言われています。
例えば延べ床面積120m2の住宅の総隙間面積は1,080~1,200cm2にもなるというのです。
1,200cm2と言えば34cm×34cmの4角よりも大きい隙間です。びっくりですよね?
こうした住宅では、せっかく暖めた空気や冷やした空気が外に漏れてしまいます。
漏れた空気(熱量)を補うために、エアコンをどんどん稼働する。
まさに先程のイラストそのままの光景ではないでしょうか?
隙間を埋めるためには、どこにどの位の隙間があるかを把握する必要があります。
見えない空気の通り道を見つけ、それをしっかりと塞ぐ事で初めて隙間の小さな住宅を実現できるのです。
実際に建てられた住宅の気密性能を知るためには、気密測定技能者による『住宅の気密性能測定(気密測定)』を行う必要があります。
気密性能とは実際の建物の内外を隔てる外皮部分の密閉性を意味し、隙間相当面積で表します。
隙間相当面積(C値)は住宅の総隙間面積を実質床面積で除した値です。
床面積1m2当たりの隙間面積を表すため、住宅規模が異なっても相互に比較する事が可能です。
送風機を用いて気密性能試験を行う事で隙間の状態が分かります。
これを隙間特性値(n値)と言い、一般的には1~2の範囲の値になります。
ひとつひとつの隙間が小さい場合は1に近い値となり、大きな隙間があると2に近い値となります。
C値が小さくても、n値が2に近い場合は現場での施工ミスの可能性があります。
それでは、本日行われた『FPの家 Y邸』の気密測定を様子をご覧ください。
現地にて、送風機の据付中の気密測定技能者の様子です。
手慣れた手順で準備をテキパキと進めます。
30分程で準備が整いました。
お客様立ち合いの元、測定スタート。
まずは、気密測定に関する簡単な説明があります。
この段階では、窓に貼ったビニールシートはひらひらと揺れています。
次に送風機を回した状態で、計測器の数字『差圧』を見てもらいます。
差圧は送風機から排出される空気の量と家の隙間から侵入する空気の量の差です。
これが大きいほど、隙間が小さいという事です。
試しに窓を少し開けてみます。
とたんに差圧が小さくなります。
窓を全開しました。
差圧はゼロになりました。
ここから計測が始まります。
風量を変えながら、5つのデーターを採取します。
全ての計測が終わると、おもむろに測定技能者は窓に近づき窓に貼ったビニールシートを指で叩きました。
外気圧によって室内側に膨れ上がったビニールシートは「ビンビン」と音を発します。
お客様にも叩いて戴きました。大抵ここで、「凄い!」とお褒めの言葉を戴いています。
計測終了です。
総隙間面積は20cm2。4.4cm×4.4cmの4角位です。
床面積で割ると、C値になります。
0.3cm2/m2、中々の数値です。
床面積が小さい家は、どちらかと言うとC値は大きくなりがちです。
延べ床面積19坪の住宅ですから、結構ドキドキして結果を待っていました。
良かった。ホッと胸を撫で下ろしました。
隙間特性値は1.34、特に問題ないようです。
お客様も大変喜んでくださいました。
計測中に気になったのは、タテスベリ窓位でしょうか。
嵌め殺し窓に比べると、どうしても隙間の大きさが気になってしまいます。
でも今回の気密測定では、新しい発見がありました。
今回採用した窓はLIXIL社の防火戸FG-Hです。
でも、隙間からの漏気を減らそうと思い引違窓だけは新商品のサーモスX防火戸にしてみました。
実は防火戸FG-Hの引違窓、レールや障子の召し合わせ部分からの漏気が多いんです。
サーモスXを試してくださいと言うメーカーの意見に従ってみた訳です。
結果は良好でした。
気になる漏気はほとんどありませんでした。
熱貫流率もサーモスXの方が低いし、防火戸FG-Hを採用する現場は極力こちらの窓にシフトしようと思いました。
気密測定の様子、うまく伝わりましたでしょうか?
FPの家は全棟気密測定をしています。
実測平均はなんと0.45cm2/m2。
スカスカ住宅ではありません。
ご安心を・・・。
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posted by Asset Red
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