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『FPの家 Y邸』
大工さんも最後の追い込みに入りました。
階段下の物入れに石膏ボードをはっている様子です。
今週中には、大工工事は終了しそうな勢いです。
外部は只今養生中です。
先日行ったシーリング工事がキチンと乾くまでの間は、ただ黙って待つばかりとなります。
変性シリコンを使った場合のこの時期の養生期間は4~5日というところでしょうか。
玄関庇です。
板間も開口部回りのシーリングもきれいに完了しています。
そうそう、浴槽からの排水管の廻りのウレタン処理も終わりました。
はみ出した部分はカッターで切除し、上からモルタルを塗り付けます。
ついでに、下から土台水切りを写してみました。
細かいスリットが見えると思います。
このスリットは、鼠の侵入を防ぎつつ空気を採り入れるためのものです。
上のイラストのようになっていて、ここから外気を外壁通気層や基礎内に取り込みます。
上のイラストは、一般的な充填断熱工法における『防湿・気密シート』と『透湿・防水シート』の効果を表したものになります。
土台水切りのスリットから入った空気がイラストにある『通気層』を通って、屋根の頭頂部に設けられた換気棟から排出される仕組みです。
透湿・防湿シートは、主に外壁の下地防水用として断熱材の室外側に用いられるシートです。
高断熱化された現在の住宅では、通気工法として防水・防風性の他に透湿性が求められています。
通気層は空気の温度差によって生まれる上昇気流を利用して、壁内よりも負圧の状態を維持する事が出来ます。
断熱材に含まれた湿気は、通気層に引っ張られるように透湿性の高いシートを通過して室外に排出される事になります。
でも同時に常時上昇気流が発生している通気層は、断熱材に含まれた暖かい空気を奪う事にもなってしまいます。
湿気は通すけど、風や水は通さない。その為の防風・防水性という訳です。(空気の大きさは水と同じ位です。水蒸気の方が小さいので、一般的な条件では湿気は通すけど水や空気はほぼ通しません。)
透湿・防水シートはJIS A 6111により、機能として重要な透湿性・結露防止性・強度・発火性・防水性・防風性について規格値が定められています。
主にポリエチレン不織布タイプや透湿フィルム補強タイプの2種類があり、ほとんどの製品はポリオレフィンを主原料としてつくられています。
また気密・防湿シートは、主に暖房使用時に室内側の高湿な空気が断熱材に侵入するのを防ぐ(内部結露を防ぐ)役割を持つ、断熱材の室内側に施工するシートです。
繊維系断熱材は吸湿性が高く放湿性が低い性質を持ちます。
つまり湿気を抱え込みやすく、いったん抱えた湿気はなかなか手放さないという事です。
こんな状態が続いたら、あっという間にカビや木材腐朽菌だらけになってしまいます。
カビや木材腐朽菌はシロアリを呼び寄せる怖れだってあります。
そんな事のないよう、壁内への湿気の侵入を防止し、侵入した湿気が室外に強制的に排出される構造にする必要がある訳です。
気密・防湿シートはJIS A 6930に適合するものが一般的であり、透湿性・強度・耐久性・発火性が規定されています。
高断熱・高気密住宅においては、こうしたシートを使い室内側をすっぽりと覆う状態にする必要があります。
気密・防湿シートは『塩ビ』を含まないポリオレフィンからなり、VOCや廃棄などの面でも安全です。
『ペットボトルハウス』や『ビニールハウス』と揶揄される高断熱・高気密住宅ですが、実はビニールは使用していません・・・。(どうせ揶揄するんだったら、もっと勉強してからにしてくれーっ!と思います。)
気密・防湿シートと透湿・防水シートの重要さ、ご理解いただけたでしょうか?
こんなに大事な両者なのに、その施工は大工さん任せだったりします。
絵で見ると簡単そうに見える施工も、実際にやってみると大変です。
軟らかいシートをピーンと張るのは至難の技です。
それを柱や間柱、梁や土台にステップルで留め付けたり、シート同志をテープで貼ったりするのはもっと大変です。
針の穴一か所ですら、大変な事態を招く事になります。
施工管理の重要性は高まる一方です。
やっぱり、その道のプロにお願いするしかないと思います。
高断熱・高気密住宅をたまにしか建てていない工務店なんて、言語同断です。
ところで・・・。
FPの家に使われている『FPパネル』は、それ自体が断熱・気密・防湿性を持っています。
室外側の透湿・防水シートの施工は必要ですが、室内側の気密・防湿シートの施工は不要です。
パネル自体が堅固で、もし穴を明けてしまってもその補修はカンタンに出来ます。
最も、厚さ105ミリのパネルを貫通する穴なんて誤って明ける事も無いでしょうけど・・・。
パネルにシワが寄る事もありませんから、テープの処理もカンタン・正確です。
施工の良し悪しが、見てすぐにわかります。
地域密着工務店が毎日現場を確認するから、施工管理もバッチリです。
気密測定を必ず行い、C値0.5以下を約束する事も可能です。
あっそうだ!
そもそも、硬質ウレタンは吸湿性が低いんだった・・・。
建物にとって、とっても大切な『気密・防湿シート』と『透湿・防水シート』だからこそ、現場の対応力も踏まえた評価が必要だと思います。
あなたの家の2つのシート、きちんと施工されていますか?
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posted by Asset Red
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