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『FPの家 Y邸』
梅雨の合間を縫って、なんとか外部工事を進めています。
シーリングの養生期間を終え、軒裏や破風板の塗装も無事完了しました。
足場が無くなると作業が面倒な、給気フードの取付も始まりました。
明日は、アルミ製雨樋の取付を行う予定です。
室内では、玄関収納の組立て・取付や木製ユニット建具の吊込みが行われています。
大工さんの工事も今週中に終わります。来週からは、いよいよ内装工事が始まります。
つい最近までは木材だらけだった現場も、いつの間にか石膏ボードばかりが目立つようになってしまいました。
折角の無垢フローリングや階段は養生板に覆われて見えませんし、木製建具や玄関収納もすぐに見えなくなってしまいます。
養生に使うダンボールや石膏ボードのベージュ系の色ばかりが目立つこの時期は、本当に地味でブログを書くのが大変です・・・。
という事で、石膏ボートについて書きたいと思います。
建物の防火対策としてもはや当たり前の感がある『石膏ボード』ですが、なぜ火に強いのかご存知でしょうか?
石膏ボードは2枚の紙の間に固められた石膏が入った新建材です。
紙が火に強い訳ないですよね。
という事は石膏がカギを握っている事になります。
せっこうが火に強いのは、その重量の約21パーセントに相当する結晶水に秘密があります。
この結晶水は、通常の状態では非常に安定していて発散することはありませんが、ひとたび火熱に接すると熱分解を起こし、蒸発を始めます。
結晶水がすべて熱分解して水蒸気となり、放出されてしまうまでせっこうの温度は、一定温度以上に上昇しません。わかりやすく表現すると、氷にバーナーで炎を吹きつけると、その部分は徐々に溶けて水となり、氷が全部溶けるまで氷の温度は0℃以下を保ったままという現象をイメージしてください。
「なにを当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、この常識を覆すものが存在します。
それが、紙でつくった鍋です。
水を通さない紙をつくれることは、紙コップなどでご存知だと思います。
しかし、それを火にかけちゃっても大丈夫なの?
この時、カギを握るのが温度です。
紙鍋の驚きの仕組みを紹介しましょう。
水が100度で沸騰することは誰でも知っているはず。
小学校時代、理科の授業で実験したこともあるのではないでしょうか?
では水の温度は、最高で何度くらいまで上がると思いますか?
実は、水の温度は100度までしか上がりません。
水を加熱すると100度で沸騰しますが、さらに加熱し続けてもそれ以上にはならないのです。
なぜなら、100度以上になった水は水蒸気になってしまいますから。
物質はそれぞれ「発火点」という温度が決まっています。
これは、火源がなくても物質に火がつく温度のこと。
物質の温度が発火点以上になると、火をつけなくても自然に燃えだします。
木材は250~260度、木炭は250~300度など、物質によって発火点は異なります。
紙は簡単に燃えるイメージがありますが、発火点は意外と高く、450度ほどです。
つまり紙は450度以上になると発火しますが、それ以下の温度で自然発火することはないのです。
石膏ボードの中にある『結晶水』の気化熱によって、紙の発火点に至る時間を延長する。
これが石膏ボードの火に強いメカニズムになります。
いかがでしたか?
なんだか、学校の授業みたいでしたね。
posted by Assed Red
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