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「私達の仕事が目指す究極的な目標は、いつまでも幸せでいつまでも快適な人生を人々に提供する事です。」
まるで大きな企業が掲げている理念のようですよね。
でもこの言葉は、西暦1400年頃ひとつの道を極めた日本人が発した言葉。
能楽の大成者である『世阿弥』が記した『風姿花伝』の中にあるメッセージなんです。
基本的には貴族・武士といった特権階級に左右された日本の歴史です。
低い身分からの成功者が登場することは、武力でも使わない限り難しかったのも事実です。
でも能の大成者だった父『観阿弥』の力があったとはいえ
「初心、忘れるべからず。」
「秘すれば花。」
といった、現代の私達にも活用できる仕事論を残しています。
彼の功績は、日本人が世界に誇れるものといえるでしょう。
世阿弥が認められたのは10代の頃。
室町将軍・足利義満の寵愛を受けての事でした。
かの金閣寺で執政したほどの俗物将軍の『囲い者』のようなものでしたから、決して愉快ではなかったでしょう。
でも世阿弥はこの機会を利用し、最下層の身分では得られなかった教養を当時最高レベルの文化人たちから学びます。
読み書きに始まり、古典・宗教・・・といった具合です。
結果、能の世界で大成する訳ですが、将軍・義満が死去すると、時の権力者たちによる嫉妬が一気に集まります。
それでも家門を守ろうと将軍に逆らった彼は、反逆罪に問われ佐渡島へ流されてしまいます。
「都だろうが、田舎だろうが、辺境であろうが、どんな場所であっても、そこにいる人を幸せに出来る事」
「これこそが真の頂点に立つプロの姿である。」
こう考えていたのが、世阿弥でした。
彼は佐渡にいる間も、現地の人々に能を伝える事に努めます。
また一方では後継者のために、人生を通じて学んできた心得を『秘伝』の形でしたためました。
それが現代に残る『風姿花伝』です。
生涯にわたりプロに徹し、困難に負けずに目標を追いかけた『仕事人』の心。
日本最古のビジネス書とも言える本書には、学ぶべき事がたくさんあるように思えます。
「健康・快適な家を通じて、声や手の届く範囲の人々の幸福を実現する。」
私達に課せられたミッションも世阿弥と同じです。
後継者の為の秘伝なんてありませんが、同道する仲間たちと共に熱意だけは持っています。
この熱意を持ち続け、次代を担う人々に伝えるのも私達のミッションだと思います。
生涯に渡り、プロである事に徹し目標を追い続けたいと思います。
posted by Hoppy Red
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