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『FPの家 Y邸』
朝から、空調工事を行っています。
写真は、エアコン×2台が納品されたところです。
この後、もう1台が搬入される予定です。
昨日に引き続き、『残念な高断熱住宅』を『夏涼しく、冬暖かい高断熱住宅』にする為の工夫をご紹介します。
まずは、前回のおさらいです。
天井(屋根)・壁・床にしっかりと断熱材を入れ、断熱性の高い窓を使う事で、暖房で暖められた部屋の中の暖気が外に逃げない建物になります。これが『高断熱住宅』ですね。
暖房効率が良く、蓄熱効果も期待できるため、省エネでポカポカ暖かい暮らしが出来ます。
このような建物は、遮熱ガラスや遮熱シート等を採用する事で、夏場の暑さが室内に入りにくくなります。
冷房効率が良く、省エネで湿気のない爽やかな暮らしが出来ます。
でも・・・
しっかりと断熱されている家は、暖房を止めても『生活熱(照明・家電・人体からの発熱)』により、寒くない状態をつくる事も可能です。
知っていましたか?
家の中では、人体や家電がせっせと熱を発しています。
家電製品はその種類が何であれ、消費した電力を最後は熱として放出します。
例えば壁で完全に囲われた10帖のリビングをモデルとして、家電による室温上昇をシュミリーションしてみましょう。
内部発熱が全て空気の温度上昇に使われた場合と、空気から壁へと熱移動した際で比較してみました。
後者の方が、現実的な数字だと思います。
上表は、一時間当たりの室温変化を表しています。
大人3人で+0.45度
白熱灯で+0.60度
その他家電で+0.15度+0.15度
合計1.35度も上がってしまいます。
窓からの日射熱を取り込む事が出来れば、さらに暖かい室内をつくる事も可能です。
では、夏だったらどうでしょうか?
これらの熱源が室内温度を上昇させ、保温効果により夜も熱が冷めにくくなってしまいます。
やっぱり、高断熱って夏暑いんじゃないの?
いえいえ、違います。
肝心な事は、日射熱を入れない、排熱を効率良く行う、内部発熱の少ない家電を使用するという事です。
断熱がしっかりしていれば、建物の内外を移動する熱が少なくなりますから、これだけでエアコンを使用する機会は少なくなるでしよう。
そこで、室温上昇を防ぐ対策をご紹介しましょう。
例えば北側に地窓を設けて冷たい空気を採り入れたり、南面の庇を出し、さらに外付ブラインドを付けて日射遮蔽を図ったり、北側のハイサイド窓から熱気を排出するのが有効です。
トップライトは、熱気排出には有効ですが、断熱上の弱点になってしまうので設置には充分配慮が必要となります。
理想は冬だけ日射を採り入れる事です。
例えば・・・
軒・庇は有効です。ランニングコストがかかりません。
よしずも有効です。
オーニングや外付ブラインドも有効です。
ただし、それぞれにデメリットもあるでしょう。それらを良く検討の上、設置しましょう。
高断熱で日射が入らない建物は、地中深くに空いた洞窟をイメージするといいそうです。
土は決して断熱性能の高い素材ではありませんが、その分厚くしてあげれば充分な断熱性能を持たせる事が可能です。
洞窟の周りは、それこそ厚い土に囲まれています。まさに超高断熱です。
日射は入口部分しかありません。地中深くは真っ暗ですよね。
温度はどうでしょうか?
答えは簡単です。
井戸水と同じ温度になっているはずです。
そう、夏は涼しく感じる事ができます。冬暖かくとはいきませんが、ある程度の温度は期待できるでしょう。
結論です。
高断熱住宅は、その工夫次第で『残念な高断熱住宅』にもなるし、『夏涼しく、冬暖かい高断熱住宅』にもなり得ます。
大切な事は、経験と知識が豊富な建設会社・設計者・工事管理者を見極める事ではないでしょうか。
いかがでしたか。
残念な高断熱住宅とそうでない家の違い、ご理解いただけたでしようか?
完成現場見学会に来ていただければ、その違いを体感する事が出来ます。
お電話いただければ、個別の対応をさせていただきます。
準防火地域内の狭小地に建つ、延べ床面積19坪の2階建てです。
是非、ご参加ください。
posted by Asset Red
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