ビタミンDの話(その弐)

前回に引き続き

『体内で必要とされるビタミンD生成に要する日照時間の推定』という話をご紹介します。

健康な生活に必要なビタミンDを日光浴だけで得ようとすると、高緯度の札幌の冬季では晴天日のお昼の紫外線が最も強い時でも、毎日76分というかなり長い時間の日光浴が必要となります。

実際には高緯度地域では冬季は晴天日が少なく、雪が降るために長時間の日光浴は不可能です。

また顔と手だけでなく足や腕など日光に当たる部位を増やすことによって、必要な日光時間は短縮できるとしても、寒い為に肌を露出させる事は普通の住宅では難しいでしょう。

ビタミンDは魚やキノコなどの植物からも摂取できますが、足りない量はサプリメント等を利用した方が現実的だと思います。

札幌と同じように、冬季の北日本でも食物などからのビタミンDの補給に併せて、積極的な日光浴が推奨されます。

しかし、中々冬季の日光浴は出来にくいのが現状です。

1日の消費以上に得られたビタミンDは体内に蓄積され、その効果が持続する事がわかっています。

つくばなどの中間地点や那覇などの南の地域では、札幌とは逆に紫外線を浴びたらすぐに注意する必要があります。

紫外線を浴び過ぎると、シミや皮膚の黒化、場合によっては日光角化症や皮膚癌などの原因となるかもしれません。

その目安として、WHO(世界保健機関)などは皮膚に紅斑を起こす最小の紫外線量を、最小紅斑紫外線量(1MED:日本人の場合は60-100mJ/cm2)として定義しています。

この量以上の紫外線を頻繁に浴びると、場合によっては先に挙げた日光角化症や皮膚癌等の疾病の危険性が増します。

しかし危険性が増す1MEDに達するまでには、必要なビタミンDを生成する紫外線照射時間の約4~6倍の時間が必要となりますから、かなり無理な日光浴をしない限り問題はないと思います。

農業や工事現場などで戸外労働に従事する場合は、帽子や衣類などで紫外線照射を防ぐ必要があります。

白内障なども紫外線が原因で発症する例もあるようですから、注意が必要でしょう。

1MEDを超えない範囲で適度な日光浴を行い、充分な量のビタミンDを補給する事が健康な生活を維持するためには必要です。

紅斑紫外線量とは紫外線が人体へ及ぼす影響の度合いを示す量です。

紅斑とは、紫外線を浴びたあとに皮膚が赤くなることをいいます。

紫外線が人体に及ぼす影響は波長によって異なる為、290~400ナノメートルの波長範囲について、波長別の紫外線強度に人体への相対影響度を掛け、波長ごとに積算して求めます。データーの見直しなどで値が変わる事もありますから、注意が必要です。

太陽光はプリズムで見ると、赤・緑・紫の3色を基本にその間に7色に見える可視光線と、波長の短い紫側に紫外線・X線・ガンマ線があります。また波長の長い赤の外側に赤外線・マイクロ波・ラジオ波(電波)と分類されます。

赤外線や紫外線は直接私達の目で見る事は出来ません。

太陽光の暖かさの元は赤外線で、赤外線には光と表面的な暖かさの近赤外線やじっくりと芯まで暖める遠赤外線があります。

日射所得熱は主に近赤外線によるもので、近赤外線は物体に当たると熱エネルギーに代わる性質があります。

暖房等による輻射熱は遠赤外線で、これは人体を構成している原子相互の振動と共鳴し、体の中の原子の動きを活発化させる為に温度が上がります。

ある程度の日焼けは体にとって必要です。でも、何事もやり過ぎはよくありません。

と言うところでしょうか。サプリメントの使用も加減をわきまえて行いましょう。

ホドホドが一番のようですね。

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  posted by Hoppy Red

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