森を守ろう、木を育てよう

 

一般社団法人住教育推進機構 発行

親子で学ぶ住教育

より抜粋・加筆・修正して、ご紹介します。

平成26年度の住宅産業研究所のデーターによると、戸建て住宅の69.8パーセントは木造軸組工法になっています。枠組壁工法(2×4工法)も木でつくられていますので、これを合わせると81パーセントが木の家になります。

日本は欧米に比べて温暖な気候であり、高温多湿な風土です。

その中で風通しが良く、湿気を吸う木や畳・土壁などを使って建てられてきたのが木の家です。

また日本は、世界有数の森林大国で国土の68.5パーセントを森林が占めています。

なんとフィンランド、スウェーデンに続いて世界第3位なんです。

森林は枝打ちや間伐など、人が手を掛けないと荒れてしまいます。

ご存知でしょうか?

日本は雨の多い国です。その年間降水量は1690m世界平均の約2倍になるそうです。しかし山から海までの距離が短く勾配もきつい為、多くの水は利用されずにそののまま海に流れます。

国土に多くの水を貯めるには森林の保水力が重要です。

でも、荒れてしまった森林は保水力が下がってしまいます。土砂災害の発生や水田など食料生産の為の水の確保も難しくなります。水をコンビニで買うと、1リットル当たりの値段はガソリンよりも高いという事を忘れないでください。

私達が生活に使える水は、地球上の全ての水のわずか0.1パーセント程度しかないそうです。

森林の大切さ、ご理解いただけたでしょうか?

家を建てる為の木材を海外から輸入する事が多くなった昨今、日本の森林は荒廃しています。

いわば病気の状態と言えるでしょう。

輸入材は日本の気候に合わず、寿命も短いそうです。地元の木材を見直し、活用し、長持ちする木の家を建てる事で地球環境を守りませんか?

輸入木材や国産木材の、出荷・運搬・加工による二酸化炭素排出量合計を以下のようになります。

輸入材の二酸化炭素排出量(欧州材)・・・298kg/立法メートル

国産天然乾燥材の二酸化炭素排出量・・・54kg/立法メートル

古材を現地で再活用した二酸化炭素排出量・・・0kg/立法メートル

木材は製造エネルギーの極めて少ない『エコマテリアル』と呼ばれていますが、運搬や加工の過程で二酸化炭素を排出します。

例えば欧州材は1立法メートル(1m×1m×1mの体積)を運ぶ為に、298kg-Co2の二酸化炭素を排出します。

対して国産材は平均48kg-Co2しか排出しません。およそ1/6です。

また欧州や北米などの湿気の少ない気候風土で生育した木材は、高温多湿な日本では腐りやすいのです。

千葉大学名誉教授の小原次郎氏は著書の中で書かれています。

木材は経年変化で強度が増す素材です。建物に使用された古材は「樹は伐り倒されてから200~300年までの間、圧縮強度や剛性を上昇させます。その時期を過ぎると強度は緩やかに下降しますが、その下り坂のところに法隆寺の古材が位置しています。新材よりも1割くらい強いでしょう、まだまだ大丈夫ですよ。」

湿気に弱くすぐに腐ってしまう輸入材と、気候風土の中で長期に渡り強度を保つ国産材、その違いは大きいと思いませんか?

現代の木材は大抵輸入材です。世界中の国々から輸送費を掛けて運ばれてきます。

どうせお金を払うなら、輸送費ではなく日本の森林で働く方々に払ってみませんか。

国産材の使用は、国土の健康を取り戻す事になる事を忘れないでください。

いかがでしたか?

木育・住育、大切だと思いますよ。

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