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ご存知ですか?
快適な冷房空間は気温26℃、湿度50%程度と言われます。(快適の尺度は人それぞれではありますが・・・)
気温が低くても、湿度が高ければ快適とは言えません。その反対もまた然りです。
今朝の気温は26.7℃、湿度は67.4%(天気は雨)
気温はほぼちょうどいい位ですが、湿度が高くなっています。
太陽は出ていませんから、輻射熱もありません。
でも快適とは程遠い空気環境ですよね。
今回は湿気のもつ温度=潜熱について、かなりマニアックな話をご紹介したいと思います。ご覚悟を・・・
24時間換気システムのカタログに、『全熱交換』とか『顕熱交換』という言葉を見かける事があると思います。
全熱とか顕熱って何?
潜熱なんて言葉は出てこないじゃん?
全熱=顕熱+潜熱なんだそうです。
顕熱とは、温度計で測る事が出来る熱を言います。反対に温度計で測る事が出来ない熱を潜熱と言います。空気中の水蒸気が持つ熱の事ですね。
水蒸気とは水が気化したものをいいます。水が沸点に達した事で水蒸気になると言う事は、水蒸気がそれだけの熱量を持っているという事です。
この様子を図にすると、以下のようになります。
水の状態と温度がどのように変化するかを示しています。
-40℃の氷に熱を加え続けると、氷の状態のまま温度が上昇していきます。
この時、氷に加えられている熱の事を『顕熱』といいます。
ここでは、温度にその熱の効果が顕れています。
さらに熱を加えていくと、0℃になった時に温度は0℃のままで、氷から水へと状態が変化します。
この時氷と水に加えられている熱を『潜熱』といいます。
この熱は状態変化に用いられ、温度変化は顕れません。
さらに熱を加えると、0℃の水になつた状態で温度上昇が始まり、100℃になった時には液体から気体へと状態が変化します。
この時の潜熱を蒸発熱とも呼びます。空調負荷を検討かる際には顕熱と潜熱を別々に算出し、計画を行う必要があるそうです。
顕熱と潜熱の二つを合わせたものを全熱と言います。
私達はこの気温だけを意識しています。
でも、例えば気温が26℃で湿度が50%の空気が保有する潜熱量は約27℃もの気温に相当します。
顕熱26℃、潜熱27℃、双方を足した全熱量(エンタルピーとも言う)は、合計53℃と言うことになります。
勿論、この27℃に相当する潜熱は熱いと感じません。
でも、その湿気が冷房エアコンの室内機フィンに接触した時点で凝縮熱として具現化します。
つまり26℃をキープするために、エアコンはプラス27℃分の冷房稼働を強いられるのです。
この潜熱が冷房負荷の大きく影響する事を我国の住宅業界はあまり注目しませんでした。
今日の各地は総じて高い湿度となっております。
もし気温30℃/湿度80%であれば、潜熱は気温50℃に相当します。
つまりこの50℃の潜熱が室内機フィンに触れ、凝縮熱となり膨大な電力を消費する事になるんです。
エアコンだけに頼った湿度管理は、エネルギー消費を増加させる事に繋がります。
反対に、エアコンを使わずに湿度を下げる事が出来れば、こうした電力を節約する事が出来る事になります。
換気システムで過度の湿気を排出するのは大切な事ですが、木や漆喰・珪藻土等の調湿建材を内装材として利用するのも良いでしょう。
紙クロス、無塗装の木の家具や素焼きの陶器なども有効です。
いかがでしたか?マニアック過ぎましたかね・・・。
湿度の高い時期が、まだまだ続きます。
湿度管理をこまめに行い、快適な生活を送りましょう。
posted by Asset Red
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