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今日は待ちに待った上棟の日。
晴天、暑くなりそうです。
昨日の荷運びのお蔭で、筋肉痛・・・。
安全に気を配りつつ、頑張ってきまーす。
上棟といえば、棟梁(トウリョウ)の出番です。
大統領ではありません。
棟はムネ、梁はハリの事を云います。
棟は家の一番高い所にあります。
つまり、一番偉い人という訳ですね。
中国流に言えば、棟は1棟・2棟つまり1件・2件の事を云います。
梁は柱の事を云うそうです。
つまり何件も建てている大工の事を云うらしい・・・。
匠とも言いますよね。飛騨の匠が有名です。これらは大工・職人・工人の事を指していましたが、いつのまにか先生級の職人を指すようになりました。
棟という字を分解すると、木と東になります。
つまり家は南向きに建てるのが普通なので、棟は西から東になります。
中国の諺に『東風無力百花残』というのがあるそうです。
東は太陽の昇るところ、東風は万物を成長させる恵みの雨を運んでくれます。
これを転じて天子・長を指しているようですね。このように東は始まりであり、大切な方向です。これを間違えると風に逆らう事になり、大変な努力と忍耐を必要とすることになります。こんな辛抱を無理にする必要はありませんよね。反対に西は黄昏を指すそうです。
こんな話があります。
観音堂を造っている時、最も大切な長い桁丸太1本を、建前(上棟)の前日に誰かに短く切り落とされたそうです。
1本短くなると全体を小さくやり直すか、1本を新しく手当しなければなりません。手当するには半年以上かかってしまいます。
棟梁は困り、仕方がないので綱を両端に縛り付け、両方をみんなで引っ張ってみました。
観音様が応援して、伸ばしてくれるかもしれない・・・。
みんなは半信半疑でしたが、棟梁の命令です。一生懸命引っ張りました。
少し伸びたように思えます。
そこでもう一度、引っ張ってみました。
そして棟梁が寸法を測ってみると、ちょうどいい長さに伸びています。
これは観音様のお蔭とばかりに、みんな喜び合い、無事翌日建てる事ができました。
種明かしをすれば、反対派の誰かが悪さをすると予見した棟梁が、予め少し長くしておいただけの事でした。
でも観音堂が完成した後、これを知った人々は棟梁の力量を褒めたたえたそうです。
棟梁は、技術者であるとともに伝承者であり人格者でもあります。
棟梁の知恵と技、凄いですね。
posted by Asset Red
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