blog
おはようございます。
今日も良い天気になりそうですね。
今朝の気温は27.4度
湿球温度は24.5度
相対湿度は78.2パーセント
となっています。
今回は湿球温度について書かれたものをご紹介したいと思います。
テキストは毎度おなじみの
エコハウスのウソ[増補改訂版]
前真之 著
日経BP 刊
となっています。少しだけ加筆修正させていただきました。
(ご興味をお持ちの方は、是非ご購入ください。少し難しいですが、お勧めの一冊です。)
髪の長い女性であれば、湿度によってセット(髪型)の仕上がりが違う事を感じているかもしれません。
そうした『湿度により伸び縮みする物質』を用いることで、相対湿度(いわゆる湿度です)は計測可能です。
実は高級な湿度計には、今でも人間の髪の毛が使われています。なんでもフランス女性の金髪が最高だとか・・・。
もっとも一般的な湿度計では、湿度に応じて電気抵抗が変わる湿度センサーを用いたものがほとんどなんだそうですよ。
さらに『温度計』と水さえあれば、髪の毛や湿度センサーを使わなくても湿度を知ることが出来ます。
乾燥した空気は水蒸気をたくさん吸いたがっています。逆に湿った空気は水蒸気を受け入れる余裕がありません。
また、水は水蒸気になる時に気化熱を奪います。
この『水の蒸発スピード』=『気化熱による温度降下』を利用して湿度を測るのが『乾湿計』です。
乾湿計は2本の普通の温度計で出来ています。このうちの一本の先端を水で湿らせたガーゼで包んだものを、『湿球』温度、そしてもう一方を『乾球』温度と言います。
湿球温度は『水が目一杯蒸発した場合に何度まで下がるか』を表しています。
湿度が100パーセントであれば水は蒸発しません。従って蒸散による温度降下は起こらず、乾球温度=湿球温度となります。
空気が乾燥してくると水がどんどん蒸発するため、奪われた気化熱により湿球温度が乾球温度よりも低下します。
こうして乾球と湿球の温度差から湿度を知ることが可能となります。
例えば乾球温度22度の場合の時はこうなります。
絶対湿度(実際に空気が含んでいる水蒸気の重さ)17g→相対湿度100パーセント→水が蒸発しない→蒸散による温度降下0度
絶対湿度12g→相対湿度70パーセント→水が蒸発→蒸散による温度降下4度
絶対湿度8g→相対湿度50パーセント→水が蒸発→蒸散による温度降下7度
絶対湿度5g→相対湿度30パーセント→水が蒸発→蒸散による温度降下10度
絶対湿度0g→相対湿度0パーセント→水が蒸発→蒸散による温度降下15度
湿球温度は汗をかいた場合に皮膚表面が何度まで下がるかを表しています。
汗が順調に乾いた際の皮膚温度に近いので、人間の『暑さの実感』に近いといえるでしょう。
汗による冷却が武器の人間にとって、この湿球温度が高いか低いかが、実は相対湿度以上に重要ともいえます。
汗による冷却が実感できない方は、注射の際に腕にアルコールを塗った時の事を思い出してください。
これが気化熱による冷却効果です。
これほど極端ではありませんが、人間は汗の蒸発により皮膚の表面温度を冷却している動物なんです。
ちなみに夏の『打ち水』のタイミングを知るのにも、湿球温度が役立ちます。
湿球温度は水を撒いた際に何度まで下がるかとも解釈できるからです。
つまり乾球温度と湿球温度の差が大きい日中に水はどんどん蒸発するので、打ち水をすることで大きな温度降下が期待できます。
反対に乾球温度と湿球温度の差がない夜間に水をまいても、冷却効果は期待できません。
いかがでしたか?
最近の私が『湿球温度』にこだわる理由がここにあります。
そろそろ蒸散による皮膚表面の温度降下を期待しなくても良い気候になってくれるといいんですが・・・。
それでは、この辺りで失礼させていただきます。
良い休日をお過ごしください。
posted by Hoppy Red
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分