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昨日に続き、湿球温度の話です。
もちろん、テキストは前先生の本・・・。いつもありがとうございます。
何かと目の敵にされるエアコン冷房。
そけではエアコンなしで人間は夏を過ごせるのでしょうか?
エアコン冷房は、只のゼイタクなのでしょうか?
汗は人体の冷却における最も強力な武器であります。
でも、この武器には大きな弱点があります。
それは『汗は乾かなければ体を冷やすことができない』ということです。
つまり、汗の中の水分が乾いて水蒸気になる時に潜熱を奪うから体温が下がる。汗が乾かずにしたたり落ちてしまっては、体温を下げる役には立ちません。
人間が快適に過ごせる(上手に放熱できる)ためには、空気の温度(乾球温度)だけではなく、湿度も大事なんです。
では乾湿温度計を使って説明してみましょう。
湿球温度は気温と湿度の両方が考慮されていて、汗が順調に乾いた際の皮膚温度に近いので、人間の『暑さの実感』に近い温度と言えます。
アメリカ空調学会では、この湿球温度を暑さの重要な指標として、快適に過ごすためには夏でも21℃以下にすべきとしています。それ以上なら温度か湿度のどちらかを下げる必要があるという事ですね。
それでは、この『湿球温度21度』を上限として覚えておき世界の気候の快適さを比較します。
人類の遠い祖先がやむなく暮らすことになったアフリカは、乾燥したステップ気候です。
300万年以上前のアウストラロピテクスの骨が発見された、我らが故郷エチオピアの気候をまず見てみましょう。
乾球温度は年中高いですが、乾燥している為湿球温度は通年で20℃以下になっています。1年を通して暖かく、暑い時も汗がよく乾き体を冷やしてくれるので、まさに人間にとってベストな気候と言えるでしょう。
エジプトも夏は乾球温度が高くなりますが、やはり乾燥しているのでゆったりとした衣装で日射を防ぎつつ、発汗を促進することで、十分快適に過ごすことができます。
ただ暑いだけではなく湿潤となると、状況は一気に厳しくなります。
熱帯気候のフィリピンのマニラを見ると乾球温度が年中高く、さらに湿潤で湿球温度は25℃と非常に高くなります。
汗をかいても乾かないので、人類自慢の冷却機能は機能しません。
こうした『蒸し暑い』気候では、かってはあまり活動しない事で『代謝熱の発生を抑える』ことしか出来ませんでした。
近年こうした地域ではエアコンが大人気で、冷房を20℃にまて極端に効かせる場合もざらだとか・・・。温度と湿度の両方がここまで上がってくると、もはや「エアコンは嫌い」なんて言ってはいられません。
フランスのパリは意外と湿潤で、1年を通して乾球と湿球の温度差は小さいんです。でも夏でも乾球温度が低く涼しいいので、対流・放射といった発汗以外の方法で十分に放熱できるので快適です。
冬はそれなりに冷え込みますが、きちんと暖房設備が充実していますから大丈夫です。賃貸アパートと言えども暖房18℃までは家賃に含まれていますから、問題ありません。快適に暮らすことは『当然の人権』と認識されています。
フィンランドのヘルシンキとなると夏は温度が低いので、もっぱら冬の厳しい寒さ対策が重要視されます。こうした『冬対策』に専念できる地域では、建物も冬仕様で作られています。しっかりとした家に守られて、寒い冬も室内で快適に過ごすことができます。
さて我が国の東京はどうでしょうか。世界の中でも厳しい夏と冬が両方ある、かなり難しい気候です。
夏は乾球温度が高いだけではなく、湿球温度も23℃以上と湿潤です。冬はパリと変わらないぼ冷え込み、しかも乾球・湿球の差はかなり大きめ、乾燥し過ぎで空気はカラカラです。
このように夏と冬、どちらも人間にとって厳しい日本では、夏・冬双方の対策を迫られてきたことが日本の家の性能向上の足枷になってきた事は否めません。
夏に強いはずの人類と言えども、高温多湿(湿球温度が高い)な気候はきびしくなります。
放射・対流など乾性放熱を増やすためには乾球温度を下げる必要があり、発汗による湿式放熱を増やすためには湿度を下げる必要があります。
少なくてもどちらかが出来なければ放熱手段は八方塞がり、もはや打つ手はありません。
エアコン以外の様々な冷房手段が提案されていますが、温度と湿度をきちんと下げる事が出来る経済的な機器は『悪名高き』エアコンをおいてありません。
日本の気候の厳しさを直視して、毛嫌いする事なく、エアコンを有効に使用する事をお勧めします。
本日、6時時点の我が家の周りは
乾球気温:26.6℃
湿球温度:23.5℃
相対湿度:77.5%
となっています。
マニラよりはだいぶマシですかね。
気温はほぼ適温と言えるでしょう。
曇っているので、日射による影響もありません。
でも湿度の影響で、快適とは程遠いですよね。
エアコンの効いた室内とは大違いです。
厚く垂れこんでいる雲を見ると気分も沈んできます。
気分を変えてリフレッシュ!といきたいものですね。
posted by Hoppy Red
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