例の部材、施工してみました。

空気が爽やかで、良い天気ですね。

空は抜けるような青空です。

気温は31.2℃(湿球温度は22.8℃)

湿度は52.0%(絶対湿度は16.88g/m3)

風速は0.5m/s

体感温度は26.8℃/不快指数は81.67となっています。

もう少し、気温がさがると快適なんですけどね・・・。

『FPの家 H邸』

例の部材を施工してみました。

実際の様子を写真に撮りたかったんですが、写真の通り、何が何だかわかりません。

黒いサッシに黒い目地シールを貼っているんですから当然ですよね。

昨日ご紹介したイラストです。

この中の「木又は断熱材」と書かれた部位の赤い所(窓の上と左右になります)にウルトジャパンの目地シーリングテープを貼る様子を、如何に表現すればいいのか考えてみました。

写真がそのテープです。

巻いてある状態では5mm程度の厚さしかありませんが、今の季節であれば10分程度で膨らんでしまいます。

まずは窓を取り付ける直前に、壁パネルの開口部分の木枠もしくは柱の外側に貼り付けます。

この時、接着面をきれいに掃き清める必要があります。

次にサッシを開口に合わせて嵌め込みます。

これで完了です。

判らないですよね。

 

事務所にあったLIXILのサーモスHのカット模型を使って説明したいと思います。

サッシを上から見ています。右にある木材がFP壁パネルの木枠もしくは柱になります。

手で押さえている石膏ボードが壁に貼られた石膏ボードだと思ってください。

窓枠も見えますよね。

この状態が、一般的な高断熱住宅の納まりとなります。

木枠とサッシの間及び、窓枠と木枠の隙間に断熱材が入っていません。

木枠に取り付けられたアルミのフィン(サッシ枠を躯体に留め付けるための羽です)が外気に冷やされると、この隙間の空気が冷えてしまい、壁内結露を招く事になります。

目地シーリングテープ(つぶれた状態)がフィンの内側に貼られた状態は、こうなります。

写真中央の黒いテープが見えるでしょうか?

まだ膨らんでいない為、サッシ枠との間に隙間が見られます。

10分程経過した写真です。

テープが膨らみ、隙間は全くありません。

テープ手前の隙間は相変わらずありますね。見えるでしょうか?

この部分に発泡ウレタンを充填し、サッシ枠に合わせて切削し、気密テープを貼るとこうなります。

ウレタンの代わりに、見本で貰ったアイシネンのウレタンを詰めてあります。

サッシ枠と木枠に貼り付けたアルミテープは残念ながら見えません。

アルミテープがL型状にサッシ枠と木枠に貼ってあるんですけど・・・。

窓枠と木枠の隙間に発泡ウレタンを充填し、切削したところです。

同じくアイシネンを使いました。

最後にウレタンの表面と窓枠及び木枠にアルミテープを貼れば、窓廻りの気密・断熱処理は完了です。

アルミテープの貼り方にも注意が必要です。

丁寧に貼らないと隙間が出来てしまいます。

テープ同志はあまりくっつきませんから、重ねを充分取る必要があります。

現場発泡ウレタンをしている現場が最近増えているようですね。

確かに専門業者が責任施工を行いますから、断熱施工に疎い施工者が作っている『繊維系断熱材を使用した建物』に比べて、窓廻り等の断熱施工が断然良くなるのは確かです。

でも気をつけてください。

現場発泡ウレタンは、FP壁パネルと違い空気や湿気を透過してしまいます。

必ず石膏ボードの内側に、防湿・気密シートや気密テープ等を使った『気密処理』を行う必要があります。

でも、そうした施工を行っている現場を見かける事はほぼありません。

不思議ですよね・・・。

 

繊維系断熱材の防湿・気密施工に関する施工マニュアルをご覧ください。

ここでいう⑤と⑥が現場発泡ウレタンの場合も必要となります。

なぜ省略しているのか?透湿抵抗比の確認をした上での判断ならば良いのですが・・・。

そうそう、ウルトジャパンより別のサンプルをいただきました。

ユラソールという気密施工用のテープです。

施工直後の粘着力は中程度で貼った後の修復(剥がしたり、貼ったり)が可能です。硬化後は粘着力が強力になるため、長期に渡って気密・防湿性能を確保してくれます。

また、剝離紙を剥がして施工するタイプなので、施工は面倒ですがテープ同志を重ね貼りした際も剥がれる心配がありません。

試しに使ってみたいと思います。問題は施工性と価格です。

話を戻したいと思います。

窓廻りの気密・断熱処理が終われば、後は石膏ボードを貼るだけです。

隠れてしまえば、その違いは全くわかりません。

でも、その施工の違いが『気密測定』や『サーモカメラによる撮影』で明らかになってしまいます。

FPの家で従来行われていた『ウレタンおよびアルミ気密テープ』による窓廻りの処理に、今回は目地シーリングテープを加えてみました。

目的は、地震時の変形によるウレタンおよびアルミテープの剥がれが招く気密性の低下および断熱欠損の発生を解消する為でした。

施工をしてみて、効果は充分期待出来そうです。

また懸念していた施工性ですが、それほど面倒でもありませんでした。

テープ使用に伴う、発泡ウレタンの使用量はそれほどでもない為、施工に伴うコストはテープの分だけ増える事になります。(定価2,345円×16本=37,520円)施工費は変わりません。

引き続き、採用したいと思います。

全てのサッシが無事取付られました。

玄関ドアも取り付けられ、これで戸締りはバッチリです。

床パネルのウレタン処理もボチボチ始まりました。

壁パネルの気密処理も、金物絡みの部分は、既に行われています。

座堀部分にはウレタンが充填され、硬化を確認後切削します。

柱頭・柱脚金物部分の切り欠き部も同様です。

この後、しばらくの間は地道な作業が続きます。

もうしばらく、断熱・気密のお話にお付き合いください。

とっても重要な話ですから・・・。

 

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