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昨日、休日を利用して宇都宮まで足を延ばしてみました。
目的地は清原工業団地内、旭・デュポンプロダクツ㈱宇都宮事業所。
『デュポン タイベック/マスター資格セミナー』に参加して、色々と勉強をしてきました。
送迎のタクシーを降り、受付のゲートを潜ると『撮影禁止』のサインがありました。
うっかりスマホを掲げて撮影をしようとすれば、すぐに注意の声があがります。
そんな環境の中、わりと和気あいあいな雰囲気でセミナー会場まで10分位行進しました。
セミナー会場の席につくと、早速携帯電話やスマホのレンズ部分に上にあるシールを貼るよう、指示がありました。
やはり研究機関が施設内に入っているため、警戒は厳重なんですね。
参加者は50名ほどでしょうか。みんな真面目に聞いています。
5時間余りの座学&実技セミナーでしたが、中身はてんこ盛りでした。
写真は撮れないし、レジメの配布もありませんでした。
当日配布されたカタログと私の記憶を元に、簡単にその様子をご報告します。
長持ちする家が求められている昨今、重要度を増すのが『雨仕舞い』です。
住宅が寿命を迎える原因は2つあると思われます。
1つは『社会的寿命』です。「間取りが家族構成やライフスタイルに合わなくなった」とか「もっと性能の高い家に住みたい」といった事情で迎える寿命です。
もう1つは『物理的寿命』です。耐久性などの基本性能が「これ以上はもたない」という限界に達して迎える寿命です。
わずか30年程度で建物がもたなくなるなんて考えられないですよね。
物理的にはまだ使えるのに、社会的寿命によって取り壊されている住宅が圧倒的に多いという事でしょう。
かといって、現在の物理的寿命に安心している訳にはいきません。
例えば『長期優良住宅』では、少なくても100年3世代が住み続ける事がひとつの目安になっています。
物理的寿命を左右する要素は、大きく分けて3つ。
地盤や構造はじゅうようですが雨仕舞いも重要です。
どんなに地盤や構造がしっかりしていても、雨漏りがあれば基本性能の低下は免れません。
つまり長期に渡り雨漏りが発生しにくく、メンテナンスしやすい事も長持ちする住宅の条件となる訳です。
雨漏りの深刻さを示すデーターが上図1-4となります。
住宅保証機構㈱による保証件数の推移となります。
2005年度からの5年間に同機構が扱った保証事故の8割は雨漏りでした。
2009年の事故件数1075件。そのうち雨漏り事故は927件、86%に当たります。
さらにこれを部位別にみると、85%が壁、15%が屋根となっています。
外壁で雨漏りが目立つのは主に図1-5に示した箇所ですが、これらを大きく4つに分類すれば
開口部廻り
軒天・下屋など屋根との取り合い部(不十分な軒の出や複雑な納まり)
バルコニー廻り
換気口などの外壁貫通部
となります。
という事で、透湿防水シート№1(国内シェア50%以上)を誇るデュポン社のタイベックハウスラップを使用した雨仕舞いを勉強するのが、今回の目的。ついでに新製品情報が得られるといいなぁーなんて思っていました。
雨漏りおよび結露の事例についてのレクチャーから始まりました。
その多くは、最近流行りの軒ゼロ・キュービック住宅です。
やっぱり軒の出は大きいに限ります。雨漏りの発生頻度に相当影響していますね。
新築~10年程度は特に問題ありません。もしあるとすればそれは施工不良・設計ミスが原因だと思われます。でも、10年経過すると、多くの外装材は当初の防水性能を維持出来なくなります。
こうなってくると、軒の出の大きさや納まりの単純さが効いてくる訳です。
瑕疵保証の期限も切れていますから、その補修費用は全額住宅所有者の負担となります。
経年劣化のしにくい部材選択と、設計・施工方法の選択が重要という事です。
続いて、タイベック商品の紹介と類似商品との違いが紹介されました。
続いて、2班に分かれラボ実験室と屋外実験場見学を行いました。
ここで、タイベック商品の凄さを目の当たりにする事になります。
透湿防水紙をそのまま放置する曝露状態があります。一般的には1週間程度だと思われます。
でもサイディング業者が不在で、防水紙を貼った後しばらくの間サイディングを貼っていない現場も見掛けますよね。
こうした状態を防水紙業界ではJIS規格により2箇月以内と想定しているそうなんです。
2箇月までは、曝露状態でもOKという事ですよね。
実際にこの状態を6箇月ほど続けて、各社の透湿防水紙がどうなるかを実験しているところを見せていただきました。
タイベック以外は無残な状態でした。
2箇月は大丈夫な筈が・・・。
半年過ぎたものに至っては、全く防水シートとしての役目を果たせない状態です。
でも、曝露状態が半年続く訳ないし・・・。
今度はサイディングの下の防水シートの曝露の結果を見る事が出来ました。
どうやら、曝露状態で無くなっても、曝露状態が長かった防水シートの耐久性は大きく損なわれるようですね。
タイベック以外の防水シートは、どれも散々な状態になっていました。
これを見たら、他の商品を使う気は失せてしまいますよね。
(弊社が採用している防水シートは比較的マシでほっとしましたが・・・。)
その後、測定機器を使用した様々な物性試験の説明と、実際の試験の様子を見る事が出来ました。
透湿防水紙の耐久性は10年しか保証されていませんでした。
最近になってその保証年限を20年にしているのは、タイベックだけのようですね。
さらに30年保証も検討しているようです。
タイベックに切り替える必要がありそうですね。
続いて、防水テープの実技をしました。
前述の問題箇所からの漏水は、実は正しいテープ処理で防ぐ事が出来ます。
問題は施工のしやすさと施工精度、コストだと思っていました。
でも製品によって、その耐久性は大きく異なるんですね。これも新しい発見でした。
30年という耐用年月を考えると、全ての考え方が変わってきますね。
窓台と先行シートの施工
バルコニー腰壁部の先行シート施工
貫通部の施工
アクリル板で作られた実物大の模型に、防水テープを貼ってみました。
透明な模型ですから、裏から見るとテープの貼り具合がよく判ります。
ピンホールと言われる水の通り道を無くすのが、如何に難しいかが良く判りました。
引き続き行われたのが、社員による窓廻りの防水シート施工の実演です。
10分位の時間ですが、絵で見るよりも問題点がよく判りました。
この後試験を行いました。
これでセミナーは終了です。
晴れて『タイベックマスター』になれました。
ありがとうございました。
認定バッジと認定シール、粗品として定規とボールペンをもらいました。
資格証は後日送付されるようですね。
楽しく、為になるセミナーでした。
その後タクシーで帰路につきましたが、折角の宇都宮です。
割りと有名な(?)餃子の像は大谷石製なんだそうです。
大谷石はこの地域の特産物らしいですね。
昔から大谷石の塀がたくさん見られたそうですが、地震の影響で、かなりの家の塀はブロックに変わってしまい、往時を知っている人にとっては寂しい限りだとか・・・。
今回の餃子像の移転の際にも、やわらかい大谷石ですから欠けてしまい大変だったそうですよ。
宇都宮餃子みんみんに寄って、燃料チャージしました。
行列の多さにびっくりしましたが、20分ほどで座れる事が出来ました。
おいしかったですよ。
機会があれば、次は正嗣のぎょうざも食べてみたいな・・・。
つくづく、セミナーの様子を写した写真があれば・・・。と思います。
うまく伝わりましたでしょうか?
そうそう、ザバーンBFシート(可変透湿気密シート)についての説明は全くありませんでした。
壁内の夏型結露を防ぐ優れシートです。
冬は防湿、夏は透湿が出来る不思議なシートみたいですよ。
説明聞きたかったんだけどなー。
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