ウレタンの話

今日は日曜日、現場の休業日でもあります。
 
たまには『FPの家』の断熱材について、書いてみようかな・・・。
 
FPの家の断熱材と言えば
もちろん、『硬質ウレタンフォーム』ですよね。
 
 
上のイラストのように、屋根・外壁・床といった『外皮』と言われる部分に『FPウレタン断熱パネル』を採用して、高い断熱性や気密性そして機能する計画換気を有し、健康快適で耐震性に優れた住空間を実現できるのがFPの家の特徴です。
 
FPウレタン断熱パネル(以下、FPパネル)に使用されている硬質ウレタンフォームは、石油を原料とする高分子化合物のポリオールとイソシアネートが化学反応を起こして出来るプラスチック系発泡体です。
発泡剤・整泡剤・難燃剤・触媒などをミックスして、ポリオール液とイソシアネート液に混合させる事で、樹脂化反応と発泡反応が同時に起こり、気泡を樹脂内に閉じ込めた硬質ウレタンフォームが形成されます。
 
いつもであれば、ここでFPパネルの製造方法(発泡時のプレス25トン)と木枠がある事によるメリットを、説明するんですが今回は割愛させていただきます。
あくまでも今回は硬質ウレタンフォームの話ですから・・・。
 
断熱材の性能はそれぞれの素材の熱伝導率によって表されます。
上表は断熱材の熱伝導率を示したものですが、右端の数字『熱伝導率 λ』が小さいものほど性能が良い事になります。
 
でも実際には、使われる断熱材の厚さも重要です。
断熱材を使用する場合に、その効果を比較するには『断熱力(熱抵抗値)』を用いるのが一般的でしょう。
断熱力は断熱材の厚さを熱伝導率で割って求められます。
例えば硬質ウレタンフォームの熱伝導率は0.024W/mKです。
断熱材の厚さが105mmであれば
0.105/0.024=4.375≒4.37となります。
これがFPの家の壁に当たります。
では、グラスウール(16K)を100mm入れた『普通の高断熱住宅』の壁はどうでしょうか。
0.100/0.045=2.222≒2.22ですね。
その違いにびっくりでしょ?
ちなみに、一般的な『外張り断熱住宅』の壁の断熱力は1.25になっています。
断熱力は暖かさの目安です。
FPの家を基準にすれば、一般的な高断熱住宅は半分の暖かさであり外張り断熱住宅は1/3の暖かさという事になります。
 
硬質ウレタンフォームは独立気泡構造の為、水分や水蒸気の侵入に対する抵抗が強いのが特徴です。
その為、吸湿による断熱性能の低下がほとんどありません。
FPパネルに用いるJIS A9511(2006R)/A種硬質ウレタンフォーム保温材2種2号の場合は、吸水量:3.0g/100cm2以下、透湿係数(厚さ25mm当たり):40ng/(m2・s・Pa)以下となっています。
さらに厚さ25mmを上回る105mmのFPパネルは、より大きい耐水性が得られる事は間違いありません。
よって、これを用いた壁内に結露が生じる事もありません。
各種断熱材の使用温度範囲を挙げてみました。
これを見ると、硬質ウレタンフォームは極寒の地から酷暑の地まで幅広く使う事の出来る断熱材である事が判ります。
一方グラスウールやロックウールは温度が0℃を下回る地域では、断熱効果を充分に発揮する事ができません。
同様に外張り断熱住宅で使われるフォームポリチレンは、屋根などの80℃を上回る所では使えません。
 
その他の性能特性を挙げておきましょう。
密度:35~45kg/m3
耐熱性:発火点は約400℃(木材とほぼ同じ)
対薬品性:濃酸や一部溶剤を除き、ほとんど侵されることはありません。
接着性:発泡と同時に対象物に対し、強力な接着力を発揮します。
 
また最後に、吹付けウレタンフォームとの違いについて書きたいと思います。
 
 
同じ硬質ウレタンフォームであっても、施工現場で発泡を行う『スプレー工法』は無圧発泡のため、低密度・低強度の発泡体となります。
断熱性能も低く、気泡が連続しているため透湿抵抗も小さく吸水率も高い断熱材と言えます。
スプレー式ウレタンフォームは、硬質ウレタンフォームのようで硬質ウレタンフォームでない断熱材のようですね。
 
硬質ウレタンと軟質ウレタンを青いインクを入れて水に漬けて、しばらく放置した画像です。
 
 
右側の軟質ウレタンは、見事に加水分解していますね。
ウレタンにも色々あるという事でしょうか・・・。
もちろん、FPパネルのウレタンは全く問題ありません。
ご安心ください。
お時間ある方は、以下動画をご覧ください。
築17年のFPの家を解体した時の、断熱材の様子と物性試験の結果を見る事が出来ます。
 
ウレタンの事、ご理解戴けたでしょうか?
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