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続きです。
来場された方より、『アルゴンガス』について質問を受けました。
そう言えば、一般的なLow-Eガラスの中空層に封入されているのは『乾燥空気』です。
それをアルゴンガスに変える事でより断熱性能がアップする訳ですが、そもそもアルゴンって何?
その時は中途半端な答えしか出来なかったので、調べてみました。
ご存知、複層ガラスのイメージイラストとなります。
ここで『乾燥中空層』と書かれた部分が問題となります。
ペアガラス(複層ガラス)においては、板ガラスと板ガラスの間に6~12ミリの密閉空気層(以下、空気層)を作ります。
そこに乾燥空気を封入する事で板ガラスの数十倍に断熱性能を高めていますが、当然6ミリの空気層に比べると12ミリの空気層の方が断熱性が高くなります。
もっと断熱性を高めたければ空気層を大きくすれば良さそうなものですが、そううまくはいきません。
板ガラス間に密閉された空気がガラス表面の温度差により対流を起こしてしまい、断熱性能が低下してしまいます。
そこで、こうした場合に使用されるのがアルゴンガスやクリプトンガスといった『不活性ガス』になります。
アルゴンは大気中に含まれる気体の中では、窒素・酸素に続く3番目に多い気体であり、二酸化炭素よりも多く存在しています。従って、万が一漏れたとしても安全な気体と言えるでしょう。
その名前はギリシャ語で『不活発・不活性』を意味する『αργόν』に由来します。また『働く』という意味の『εργον』に『αν』をつけた『αν εργον』(動かない)が語源という説や、『怠け者』という意味の『αργος』を語源とする説もあるようですね。
アルゴンガスは乾燥空気に比べて約1.5倍も断熱性能が高い気体です。これを空気層に封入する事で高い断熱性能を持った複層ガラスを作る事が可能になります。
またクリプトンガラスを使う事でさらに断熱性能を高める事も可能です。
しかしこの気体は、より高価であり、空気層が大きくなると対流を起こし断熱効果が低下する為、空気層の確保が難しい場合に限り使うのが有効なようですね。
長い間単板ガラスが当たり前であった我が国の窓ガラスも、凄い勢いで高性能化し始めました。
複層ガラスが当たり前になり、Low-Eガラスの使用が増え、乾燥空気が不活性ガスに代わりつつあります。
トリプルガラスや4枚ガラスなんて製品も出回り始め、アルミフレームも樹脂や木製に変わっていくでしょう。
こうした流れの中で、単なる流行り廃りではなく、快適性と省エネ性およびコストのバランスを考えた組合せを提案するのが弊社の務めとなります。
正しい情報を把握し、適切にわかりやすく伝える。
その為の方法のひとつが『現場見学会』だと思います。
工事途中の現場を見て戴き、気密施工や断熱材の施工、断熱欠損部や熱橋の様子を見て、理解して戴き、その対策を確認してもらう。
使用する部材の良い所や使用する上での注意点等をご理解いただくのも大切な事だと思います。
もちろん、お客様の求める品質や性能・暮らしやすさを教えていただく事も重要です。
現場を通じて、こうした情報を近隣の方々や家づくりを検討している方々と共有したい。
そして共有するための良い機会をつくりたいと思います。
次回の見学会は10月9日です。
気密測定の様子をご覧いただきます。
気密施工は、住まいづくりに欠かせない『気密施工』の良し悪しを、はっきりと確認する事が出来る唯一の機会だと思います。
当日は気密施工技能士による、簡単なレクチャーも戴けます。
めったに見聞きする事の出来ない貴重な体験をする事が出来ると思います。
ご家族・お友達とご一緒に、是非ご参加ください。
スタッフ一同、お待ちしています。
詳細は弊社HPにてご確認ください。
見学会の会場をご提供いただいたH様
ご来場戴いた皆様
どうもありがとうございました。
そして、終日フォローしてくれたFPコーポレーションの方々
スタッフの方々
お疲れさまでした。
よりよい家づくりを目指して、引き続きがんばりましょう。