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気密測定見学会を6日後に控えた『FPの家 H邸』
現場は地見に進んでいます。
ユニットバスは無事完了しています。
お風呂の入り口枠も取付が終わりました。
木製建具枠の取付も始まりました。
階段も明日納品となりますので、見学会の前日には階段も完成している予定です。
あいにくの天気で、外回りの作業は少しも進んでいません。
困ったもんですね・・・。
話題を変えましょう。
ここで問題です。
グラスウールとウレタン、どっちの方が耐火性に優れていると思いますか?
ウレタンの発火温度はおよそ250℃前後です。
これは木材の発火温度とほぼ同じ位になっています。
火事になって木材に火がついてしまう位の状態であれば、家全体に火が回りほぼ全焼状態になってしまいます。
家の耐火対策の基本は、壁内に空気を入れない事です。
ウレタンは空気を寄せ付けない性質を持っていますから、壁内にウレタン断熱パネルを隙間なく入れている『FPの家』では、空気が壁内に入り込めません。
たとえ火が壁の中を通って燃え拡ろがろうとしても、ウレタン断熱パネルが邪魔をして止めてしまいます。
ウレタンにつけられた火は、その表面を炭化させるだけに留まり、すぐに消えてしまいます。
電話帳を思い出してください。今の若い方には難しいかも知れませんね。
厚い電話帳をまるごと火の中に入れても、表面の何枚かの紙を黒く焦がすだけで火は消えてしまいます。
黒く焦げた紙は炭となり、火の熱を紙に伝えにくくします。
また、ぴったりと重なった紙に空気は供給されませんから、酸欠状態のままです。
ものが燃えるためには
燃えるもの
温度
酸素
という全ての条件が揃わなければいけません。
この条件のうち酸素と温度が不足しているので、火は消えてしまう事になります。
今度は電話帳を一枚づつ火に近づけてみてください。
あっという間に燃えてしまうはずです。
ウレタンパネルが燃えないのは、これと同じ理屈です。
これは構造体の耐火対策にも通じます。
建物全体の気密性が高く密閉された『FPの家』は、外からの空気の流入を少なくし、家全体の延焼を遅らせる事ができます。
また各室に耐火性の高い石膏ボードを張り合わせていますから、出火室の中だけで鎮火します。
つまり『FPの家はベットから出火したら、ベッドだけが燃え、室内で消化する家』だとお考えください。
これって少し言い過ぎですかね・・・。
壁のバリア(ウレタン断熱パネル)
室内のバリア(石膏ボード)
家全体のバリア(密閉された建物)
以上がFPの家の耐火のための3大構造となります。
では、グラスウールの家はどうでしょうか。
壁の中に空気が入りやすいので火が壁内を走ってしまいます。
家が延焼してしまう理由の大半は壁内を火が走り、上の方に燃え上がることによるものです。
耐火において、構造がいかに重要であるかご理解いただけたかと思います。
最後に、こんなやり取りをどうぞ・・・。
「アメリカでは、出火した火を外に出さないという考え方があります。高断熱・高気密住宅が多いからかもしれませんね。」
「ところでもし火事になったとしたら、あなたはどうしますか?」
「まず、家の中に誰かが残っていないかどうかを確認するね。」
「そして確認したら、近くの出入り口から緊急避難だね。」
「家財などは後回しだろうなー。」
「そうですね。まず人命を守るという意味からも、それが良い選択だと思いますよ。」
「そしてその際に、気持ちに余裕があるようでしたら、窓などの開口部を閉めてお逃げください。」
「えっ、どうして?」
「FPの家は気密性能が極めて高いですから、外からの空気をシャットアウトする事で火が燃え拡がるのを防ぐことが出来ます。窓などを開けたままにしておくと、空気がたくさん入ってしまい、小さな局所火事でも全体火事になる恐れだってあるんです。」
「また二重の安全策として部屋全体を発火遅延効果のある石膏ボードで被覆していますから、火事になったその部屋だけで鎮火させる事も可能です。」
「FPの家って消防士みたいだね。」
ウレタン断熱材が燃えると『シアンガス』と言われる有毒ガスが発生するんじゃない?
という方もいるようですが、そんな事はありません。
水発泡ウレタンは燃えてもシアンガスが発生する心配はありません。
でも、木や紙と同様に『不完全燃焼』した場合には『一酸化炭素』が発生する恐れがあります。
煙には近づかないようにするのが得策だと思います。
現場発泡ウレタンとFPウレタン断熱パネル、こんなところも違うんですね。