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昔の家では、良く雨漏りがありましたよね。
床に置い金たらいや金バケツに落ちる雨粒が奏でるハーモニー。
TVマンガでもおなじみのシーンでした。
最近の家は雨漏りなんてしないんでしょ?
大概の方はそう思っている事でしょう。
でも違うらしいですよ。
ここに雨漏りの深刻さを示すデーターがあります。
その一つが住宅保証機構㈱の保証件数です。
上のグラフは同機構が2005~2009年の5年間に扱った保証事故件数の推移を示しています。
その8割は雨漏りでした。
年々増加する傾向にある事故件数を押し上げているのは『雨漏り』なんです。
2009年だけ見ても、その事が判ります。
事故件数1075件のうち、雨漏り事故は927件(86%)に昇ります。
さらに雨漏りを部位別にみると、85%が『壁』から、15%が『屋根』からとなっています。
一般に「雨漏りは屋根から」というイメージがありますが、実際には外壁からの雨漏りが圧倒的に多いんですね。
外壁で雨漏りが目立つのは、主に次のイラストで示す箇所となります。
こられは大きく分けると4つに分類する事が出来ます。
1つ目は開口部廻りであり、最も事故数が多くなっています。
2つ目は軒天や下屋など、屋根との取り合い部となります。
不十分な軒の出や、複雑な納まりであるほど雨漏りが目立ちます。
以前から流行っている『軒ゼロ住宅』や『キュービック住宅』で多発しているらしいですよ。
3つ目はバルコニー廻りで、4つ目が換気口などの外壁貫通部となります。
雨漏りに対する保証期間を、建物の引渡しから10年とする『住宅の品質確保の促進に関する法律(品確法)』が施行されたのは2000年4月の事です。
その後も2009年6月に施行された『長期優良住宅の普及の促進に関する法律』や同10月に施行された『住宅瑕疵担保履行法』など、住宅の基本性能を向上させるための法制度が整備されてきました。
それなのに、雨漏りの事故件数は伸び続けています。
その理由として
「法制度が整備され、雨漏り事故が顕在しやすくなった」
「建材や工法の多様化とともに誤った雨仕舞施工が目立つようになった」
など、様々な見解が語られますが確かなところはわかっていません。
いずれにしても、雨漏りは住宅の物理的寿命に深刻な影響を与える危険を含んでいます。
特に昨今の気密性の高い住宅では、壁内に雨水が侵入してもそれが室内の壁や天井に染み出すなどして、異変に気付くまでに時間がかかる傾向にあります。より一層の注意が必要でしょう。
耐久性の高い材料を適切に施工し、メンテナンスや改修を継続して行えば、100年以上雨漏りしない家も可能な筈です。
建設時のコストは多少余分にかかったとしても、長期に渡って使い続ける事が出来れば結果的にはコストダウンとなります。
家が長持ちする『ストック社会』に転換する事が出来れば、ライフサイクルコストは削減され、環境問題だって徐々に改善するでしょう。
その為にも『長期優良雨仕舞い』は大切です。
基本は雨が侵入しにくい事。
そして万が一侵入しても、早く確実に排出出来る事。
実際には『一次防水』と『二次防水』の二段構えで雨漏りを防ぐ事でしょう。
一次防水は、外壁の継ぎ目などにシーリングを打つなどして、外壁表面からの雨水の侵入を防ぐものです。
しかし現実的には一次防水だけで十分とは言えません。
なぜならシーリング剤は10年程度で劣化するのでメンテナンスが必要になるからです。
むしろ大切なのは『最後の砦』となる二次防水でしょう。
外壁材の内側に雨水が侵入しても、通気層と透湿防水シートがきちんと施工されていれば、それ以上の雨水の侵入を防ぐ事が出来ます。
そうした『二次防水』がきちんと行われているかどうかをプロの目で確認し、見極めてくれるのが『新築住宅瑕疵保険』を引き受ける保険法人による『防水検査』です。
弊社が加入している『JIOわが家の保険』を運営している㈱日本住宅保証検査機構の場合は以下の3回検査の3回目(オプション扱い)に行っています。
『FPの家 H邸』の防水検査が本日行われましたので、その様子をご報告したいと思います。
ようやく、サイディング屋さんが入ってくれました。
まずは土台水切の施工から開始です。
透湿防水シートを捲り上げ、水切を取り付けます。
水切りに合わせて透湿防水シートの下端をカットします。
こんな感じに仕上がります。
外壁貫通部の止水処理はこんな感じになっています。
検査員は足場に昇り、サッシ廻りや外壁貫通部、バルコニー腰壁の取合い部などをひとつひとつ丁寧にチェックしています。
目で確認できないところは手で触ってみたり、施工方法を聞いてきたりの20分でした。
丁寧な施工とお褒め戴き、無事合格を戴きました。
生憎の天気が続きますが、雨の合間を上手に使って外回りの作業を粛々と進めたいと思います。
検査員の方、ありがとうございました。
大工さんは相変わらず、地見な作業を続けています。
24時間換気システムの点検口を取り付けたり
ニッチを施工したり・・・。
気密測定の頃には、石膏ボードの施工もほぼ終わっているかも知れませんね。
posted by Hoppy Red
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