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『FPの家 H邸』
気密測定見学会、無事終了です。
朝から生憎の雨。
それも、かなりの雨脚にスタッフ一同ボーゼンとしていました。
おまけに気密測定技能者より大渋滞で30分程遅れると連絡が入ったので、焦りましたよ。
雨が上がりました。
ほどなく2組のお客様がお見えになり、気密に関する資料を説明しているうちに技能者も到着。
準備を終え、早速気密性能測定がスタートしました。
気密測定を簡単に言えばこうなります。
この測定には室内を加圧する方法と減圧する2つの方法がありますが、な弊社では後者を採用しています。
送風機を設置し、そこから室内の空気を排出します。
空気を排出すると、室内外の気圧に差が生じます。
この時、気密性の低い家であれば、送風機の風量を増やしても内外差圧は大きくなりません。
だって排出した空気の分、隙間から流入して来ますから。
でも気密性が高い家だとそうはいきません。差圧を大きくするためには、それなりの風量が必要です。
徐々に風量を上げて、6つの差圧の時の風量を計測し、家全体の隙間の大きさを算出します。
気密測定について、あれこれとレクチャーをしている技能者。
いつも、丁寧な説明ありがとうございます。
窓に取り付けられた送風機の風量を上げていくと、どんどん室内の気圧が下がってきます。
送風機の差圧が70Paになると、技能者が窓に張ったビニールシートを叩き始めました。
まるで風船のようにパンパンに膨れ上がったビニールシートは、指ではじかれ「ピンピン」鳴っています。
測定開始前に手元の計器で測った気圧は1000.7HPaでしたが、この時の気圧は1000.0HPaになっていました。わずか70Paとは言え、室内気圧は下がったんですね。見学者の中には「耳がキーンとなった」という方もいらっしゃいましたよ。
でも、ご安心ください。
実際には、給気口から新鮮空気が花粉フィルター越しに常時流入しているので、こんな現象はあり得ません。
ピンピンに張ったシートをご自分の手ではじいている見学者。
この瞬間が一番盛り上がるんですよね。
玄関ドアの開け閉めをして、ドアが重くなる事を体感してもらう場合もあるようですが、こちらの方がお手軽だし、インパクトがあると思います。
計測結果を説明している技能者。
今回の建物の実質床面積は100.74㎡
気積は233.14m3
総相当隙間面積は21㎠(4.6cm角)
隙間特性値(n値)は1.43
相当隙間面積(C値)は0.20㎠/㎡
という結果になりました。
玄関ドアの養生の為に貼ってあるダンボールとビニールが、サッシ枠に干渉して締りが悪かったのが起因したのか、隙間特性値が少し大きいような気もしますが、C値はまあまあの値です。
「養生ダンボールを外せば、もう少し良くなったんだろうなぁー。」
と思いつつ、ホッとしました。
毎回、この時が一番ドキドキするんですよね。
ついでに、50Pa時の通風量を測定してもらいました。
日本の場合は9.8Pa時の通風量から総相当隙間面積を算出していますが、国際基準では建物の気密性能は圧力差50Pa時の1時間当たりの漏気回数(ACH)で表されているんです。
最近一部の建築関係者の間で話題になっている値でもあります。
通風量は103m3/h
これを気積233.14m3で割れば、50Pa時のACHとなります。
0.44回/h
1時間当たり家中の空気が0.44回新鮮空気と入れ替わるという事です。
ただし、こうして算出された『漏気回数』は『自然換気回数』とは全く意味が違うので、混同しないよう注意が必要です。
見学された方も大満足のご様子でした。
会場を貸していただいたH様
ご来場くださいました方々
測定だけでなく、レクチャー等々お付き合いいただいた技能者K様
ありがとうございました。
そして、お疲れさまでした。
良い見学会だったと思います。
機会がありましたら、またお越ください。
スタッフ一同、お待ちしています。
posted by Asset Red
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