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この40~50年の間に急速に普及し、壁や天井の内装材として主流を占めてきたものって何だと思いますか。
建売住宅だけではなく、大手ハウスメーカーのつくる高級注文住宅や町の工務店がつくる注文住宅も、大概はこれを使っているようですね。
インテリアコーディネーターと内装の打ち合わせをする時に、建築主に提示される素材のサンプルのほとんどは『ビニールクロス』なんです。
今回は、ビニールクロスについて書きたいと思います。
種類が豊富で、何かに似せられたもの(似て非なるもの)が多いのも特徴といえるでしょう。
京壁や砂壁、コルク・木材・コンクリート・金属・布等々・・・。
石油が原料のため安く大量に生産が可能です。
裏に糊を付け下地の上に張るだけですから、施工も簡単で安く早く仕上げる事が出来ます。
「こんな便利なものはない!」
爆発的に拡がっていきました。
でも、そんな便利なビニールクロスに大きな問題が発生した事があります。
裏に塗る糊に大量の『ホルムアルデヒド』が含まれていて、これが住む人の健康を損なう結果になったんです。
記憶に新しい『シックハウス騒動』の最中の話です。
その対策として澱粉を主成分とした糊への代替が進み、一旦火は納まったように思えます。
でも問題は糊だけではありません。
本来石油から出来たプラスチック製品は硬いものです。
それを軟らかくするためには『可塑剤』の混入が必要となります。
これが揮発ガスとなり室内に放散され、ビニールクロス特有の臭いの元になります。
フタル酸エステルなど一部の可塑剤は、環境ホルモン様作用の疑いや癌の発生を引き起こす恐れがあり、シックハウス症候群の原因となる懸念も示されています。
また火災時や廃棄時に問題ガスを出す、10年程度で硬化し貼り替えの必要がある、表面結露やカビの発生を促進する等のデメリットも忘れてはいけません。
もっとも、これらの問題を解決するために『24時間換気』の設置が義務付けられた訳で、これが機能する環境(気密性能が高い家)であれば、心配ないとも言えますが・・・。
いずれにしても『超長期住宅』や『健康・快適住宅』を考えた時、合板製品とビニールクロスの使用は諦めた方が良いと思われます。
また
「いいのよ、20年もってくれれば・・・。」
と言う建築主の言葉に甘えて、『長持ちしない不健康で不快な家』をつくる事を認められない時代が既に来ていると思うんです。
従来の『良質廉価』と思われる家も、こうした事を踏まえてみると『安かろう悪かろう』や『安物買いの銭失い』の疑いを拭うことはできません。
『粗悪なストック』をつくり続けてきた建築業界の一員として反省しつつ、超長期に渡り健康で快適な省エネ・省Co2住宅をつくっていきたいと思います。
ビニールクロスをお使いの方には、紙クロスや漆喰・珪藻土等への改装をお勧めします。
ビニールクロスの表面を矧いで、健康塗料を塗るのも良いと思います。
そろそろリフォームを・・・
とお考えの方は、是非お声掛けください。
精一杯お手伝いさせていただきます。
posted by Asset Red
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