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『FPの家 I邸』
朝9時、生コン車の到着を待つポンプ車です。
交通誘導員も、既に仕事を開始しています。
生コン車が来ました。
早速耐圧盤コンクリートの打設開始です。
まずは一枚目のレミコン納入書の内容を確認します。
事前に頂いていた『レミコン配合計画書』の数値と見比べて間違いが無いかチェック、プラントを出た時間も確認します。
傍らに待機していた、コンクリート試験員が一輪車を持ってきました。
生コン車の最初のコンクリートを一輪車に流しています。
今回は3解建ての為、中間工程の検査時に『コンクリート強度試験報告書』を提出しなければなりません。
その為の生コンを現地にて採取している訳です。
まずは、採取したコンクリートをよく練り混ぜます。
続いて、スランプ台を設置し、水平を調整・確認します。
そこにスランプコーン(底の抜けたバケツをひっくり返したような恰好をしています。)を置き、コンクリートを充填します。
スランプ試験はコンクリートの流動性を確認するのが目的です。
コンクリートが軟らかければ、コンクリートを流し込むのが容易となります。
でも軟らか過ぎるコンクリートはセメントと一体化せずに残った水が多くなり、ひび割れが発生しやすくなります。
逆に硬過ぎるコンクリートは流動性が悪くなり、型枠の隅々にまでコンクリートを行き渡らせるのが困難となります。
コンクリートを入れたスランプコーンを上に上げると、コンクリートが硬ければそのままの形で残ります。
軟らかければコンクリートは横に広がります。その際の頭頂部の下がり具合を『スランプ値』といい、流動性の目安にしています。
スランプ値は一般的に15~18cmの間が標準的とされています。
ちなみに今回のスランプ値は18cmでした。
また、コンクリートの広がり具合(縦・横双方の直径)を測った値=スランプフロー値を用いる場合もあります。
この値がスランプ値の1.5~1.8倍であれば合格となります。
スランプ値18cmでしたから、27~32cmであれば良いけです。
こちらの値も計測していましたが、撮影および数値を控える事はしませんでした。
大体30cm位でしたね。
後日頂ける報告書の記載内容をご確認ください。
コンクリートは硬過ぎず、軟らか過ぎずが良いようです。
続いて空気量測定を行いました。
この測定では、コンクリート中に含まれる空気の量が多いか少ないかを調べます。
装置の中にコンクリートを入れ、ポンプを押して圧をかけていきます。
空気量が多いほど、コンクリート強度は低くなります。
JISの規定では、4.5%±1.5%が適正値となっています。
測定の結果は3.5%、合格ですね。
ちなみに外気温とコンクリート温度も測定しています。
次に行うのが、塩化物濃度の測定です。
この測定では、コンクリート中に含まれる塩化物イオン濃度を測定し錆の発生しやすさ(発錆度)を検査します。
濃度が高いほどコンクリート中の鉄筋が錆びやすいことになります。
ソルコン/CL-1Bという測定器を使います。
0.28㎏/㎥という結果が出ました。
0.3㎏/㎥以下が基準値ですから、合格ですね。
最後に、強度試験用のテストピース×6体を採取します。
このテストピース×6体を28日間水中に漬けておき(材齢28日と云います。)、28日経過後に圧縮試験機にかけます。
機械的に圧縮した時の強度の平均値を割り出します。
この結果は28日後にならないとわかりません。
でもご安心を!
7日後の強度試験の結果である程度判断する事が出来ます。
万が一28日後の結果が設計値を下回っていて、やり直しなんて事態だけは避けたいですからね。
という事で、コンクリート試験およびテストピース採取が無事完了しました。
現場では、スランプ値の確認が出来た時点で打設を開始しています。
ポンプ車のオペレーターとバイブレーターを掛ける人、鏝押えおよびアルミトンボを掛ける人の3人で作業に当たっています。
隣地の建物と極めて近い為、コンクリート打設する度にシートを掛けて養生しながらの作業となりました。
コンクリートの量は13㎥(生コン車×4台分)となりました。
耐圧盤コンクリートの打設、無事完了です。
浮き水が引き次第、コンクリート表面を抑えて本日の作業完了です。
この後、墨出し・型枠組み・アンカーボルトの据付等を行います。
11月4日に立上りコンクリートを打設する予定です。
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