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先日、大宮で行われたセミナー。
株式会社M’S構造設計の佐藤実氏の熱い思いがたっぷりと詰まった内容でした。
氏のご厚意により、当日の講演内容はバンバン拡散OKとの事。
機会をみて、少しずつご紹介したいと思います。
まずはベタ基礎についてのお話です。
ベタ基礎だから安心なのでしょうか・・・。
ベタ基礎は『鉄筋コンクリート構造』です。
そこで、鉄筋コンクリート構造の特徴を確認してみましょう。
上図の柱は、軟弱地盤の場合の杭に当たるのでしょうか。
とりあえず、今回は無視してください。
ベタ基礎の耐圧盤が床スラブに当たります。
そして基礎の立ち上がりが梁に当たります。
基礎の立ち上がりに囲まれた面積の大きさにより、立ち上がり及び耐圧盤の配筋や断面の大きさが異なります。
よく見るベタ基礎はこんな感じでしょうか。
アレアレ?
立ち上がりが連続していません。
これじゃダメなんじゃないの!
立ち上がりが切れているところを『人通口』と云います。
基礎内には、水道配管やガス配管等長い年月の間にメンテナンスが必要なものがたくさんあります。
シロアリ駆除のために床下に入りたい場合だってあるでしょう。
その為に、基礎の中(床下)を人が通れるようにしておく必要があるんです。
では、配筋を見てみましょう。
アレアレ?
立ち上がりに囲まれた面積はそれぞれ違うのに、スラブ配筋の同じですね。
立ち上がりも切れているのに、何の補強もしていないように見えますよ。
本来であれば、人通口部分は地中梁を設けて基礎梁の連続を図るべきでしょう。
そこまでの耐力を必要としない事が確認出来れば、スラブに補強筋を入れる場合もあります。
どちらも、弊社の施工例です。
最初の写真が地中梁配筋、2枚目の写真はスラブ筋補強の様子です。
こうした配筋を行わない基礎をベタ基礎と呼んでいいものでしょうか?
本来、ベタ基礎は許容応力度計算によりその配筋要領や断面の大きさが決定されるべきものです。
標準的な基礎と云われるものを選択して、その通りに施工すれば『おしまい』ではありません。
地盤の状況も加味した上で、建築士の責任において適切なものをつくらなければならないのです。
単なるコストダウンの為の基礎ではないでしょうか。
通称『ベタ基礎』
安全は確認されていますか?
弊社のベタ基礎がこれに当たります。
太い鉄筋がやたら狭い間隔で入っていて、かなり高密度ですよ。
安全とコストを秤にかければ、安全を取るのは当たり前です。
本当のベタ基礎を作っていない人は、通称ベタ基礎が安全だと信じているようですね。
コストダウンじゃありませんよ。
それ、手抜きの欠陥施工ですから・・・。
お施主さまと工事業者の認識の違いは、色々とあると思います。
ご自分の思いを、精一杯伝えましょう。
そして安全性は許容応力度計算で確認してください。
今回の震災においても、こうした『通称ベタ基礎』は大きな被害を受けています。
残念・・・。
posted by Asset Red
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