型枠の存置期間

『FPの家 I邸』

今日も基礎工事は行われていません。

なぜなら、型枠の存置期間だからです。

型枠の存置期間?

聞きなれない言葉ですよね。

コンクリートの養生期間なんて言い方もします。

こっちの方が一般的かもしれませんね。

型わくの存置期間は『JAS S5』および『建設省告示第110号』に規定されています。

セメントの種類や気温、施工部位等によりその期間は定められているんです。

つまり、この期間は型枠を外してはならないという事。

では、その期間とはどの位なんでしょうか。

基礎の場合は、コンクリート圧縮強度が5N/mm2以上に達している事を確認する必要があります。

でも以下の条件であれば、コンクリート圧縮強度試験を必要とする事なく型枠を外す事が可能です。

なお、コンクリートの種類によって条件が変わるため

早強ポルトランドセメント/普通ポルトランドセメントの順で表記したいと思います。

まずは、『JAS S5』の規定です。

1.存置期間の平均気温が10℃以上20℃未満の場合で、存置期間を3日/6日としたもの。

2.存置期間の平均気温が20℃以上の場合で、存置期間を2日/4日としたもの。

続いて、『建設省告示第110号』です。こちらは普通ポルトランドセメントのみの場合です。

1.存置期間の平均気温が5℃未満の場合で、存置期間を8日としたもの。

2.存置期間の平均気温が5℃以上15℃未満の場合で、存置期間を5日としたもの。

3.存置期間の平均気温が15℃以上の場合で、存置期間を3日としたもの。

弊社ではほぼ100%普通ポルトランドセメントを採用していますから

平均気温に応じて赤字の日数分、型枠を存置する必要があるという事になります。

夏期は3日、冬季は6~8日、中間期は4~5日というところでしょうか。

弊社の商圏においても、たくさんの建物が建築されています。

木工事が始まると、大抵の現場はネットシートで囲われてしまい中を見る事が出来なくなってしまいます。

でも基礎工事や地盤改良工事だけは最初から最後まで、工事の進捗状況を確認する事ができるんですよね。

みなさん、この型枠の存置期間が非常に少ない気がします。

コンクリート圧縮強度試験を行い、強度の確認をしているとも思えませんし・・・。不思議です。

ちなみに、コンクリートの圧縮強度や引張強度は計算で求める事も可能です。

こんな計算式を使うようですよ。

f´c(t)=(t/(a+bt))d(i)f´ck

ftk(t)=c√f´c(t)


f´c(t)は材齢t日におけるコンクリートの圧縮強度(N/mm2)を示します。

ftk(t)は材齢t日おけるコンクリートの引張強度(N/mm2)を示します。

f´ckはコンクリートの設計基準強度(N/mm2)を示します。

tは材齢(日)を示します。

iは設計基準強度の基準材齢(日)を示し、28日もしくは91日を代入します。

a・bはセメントの種類によってばらつきますが、普通ポルトガルセメントの場合はa=4.5、b=0.95とします。

cはコンクリートの乾燥の程度等によって異なりますが、0.44を標準とします。

dは材齢28日に対する材齢91日の強度の増加率を示し、28日は1.11、91日は1.00とします。

試しに材齢3日の普通コンクリート(設計基準強度24N/mm2)の圧縮強度の計算をしてみましょう。

コンクリート圧縮強度=(3/(4.5+0.95×3))×1.11×24=10.874N/mm2≧5.0N/mm2

よって脱型可能となります。(あくまでも計算上の話ですが・・・。)

この辺りが存置期間を短縮する根拠になっているんでしょうか?

でも、これって明らかにルール違反ですよね。

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