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従来の遮熱透湿防水シートに代わり、弊社が今後採用するのが
旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社(以下、デュポン社)のタイベックシルバーです。
今回、メーカーよりバージョンアップのお知らせがありましたのでお知らせ致します。
以下、メーカー資料より抜粋したものとなります。
これまで一般的な透湿防水シートは、防蟻防腐剤に含まれる界面活性剤の影響を受け、初期防水性が大幅に低下してしまうリスクがありました。
また2016年8月22日に改正された『JIS A6111:2016』では、屋根用透湿・防水シートの規格新設と共に、従来の10年相当の耐久性を大きく上回る30年(耐久性区分Ⅱ)・50年(耐久性区分Ⅲ)相当の耐久性試験項目が新設されています。
同規格解説においては、防蟻防腐剤が注入された胴縁を使用する場合、界面活性剤が解け出し、透湿・防水シートに影響を与えるという内容と注意事項が追記されました。
本製品は、防蟻防腐剤に含まれる界面活性剤の影響を大幅に抑えるとともに、50年相当の耐久性にも対応可能な製品設計をしています。
上のグラフは防蟻防腐処理された胴縁を水に浸し、その上に透湿・防水シートを置き、一定時間放置した後に防水性の変化を確認したものです。
なお、本試験で使用した防蟻防腐剤の種類はBAAC(セルボーPでしょうか?)となります。
写真は新型タイベックシルバーの上に、防蟻防腐処理された胴縁を施工し、2時間後の散水を実施した後のシート裏側への浸水の有無を確認したものです。
散水後の合板内側に水染みはありませんでした。
従来の製品に比べて、新製品の防水性残存率が高い事がわかります。
より快適で安心できる家づくりに貢献する透湿・防水・遮熱シートとして、皆様のお役に立てることでしょう。
製品名称:デュポン タイベックシルバー(製品名は従来通り)
製品概要:透湿・防水・遮熱シート 防蟻防腐剤対策製品
適用:JIS A6111:2016同等品
製品形状:1M×50M/巻
特長:
①透湿・防水機能に加え、熱を反射する『透湿・防水・遮熱シート』です。
②新たな特殊樹脂コーティングにより、防蟻防腐剤に含まれる界面活性剤による影響を抑えます。
③更なる製品耐久性を見据えた製品です。(50年相当の耐久性試験を実施予定)
「開発の背景」
これまでも構造躯体への防蟻防腐処理の際、透湿・防水シートへ薬剤が付着するとシートの防水性能が低下するリスクがあったため、薬剤が十分に乾燥してから透湿・防水シートを施工するよう注意喚起しておりました。
http://www.ntba.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=9
しかし、長期優良住宅の普及と共に通気胴縁にも防蟻防腐処理(主に加圧注入)されるケースが増え、外装工事までの期間に胴縁が多量の雨水に晒されることによって、防蟻防腐剤に含まれる界面活性成分が溶け出し、透湿・防水シートの防水性能を低下させてしまうという事例が散見されるようになりました。
対策としては、胴縁を雨水で濡らさぬよう外装材を速やかに施工するなどの注意喚起を行っておりましたが、より根本的な解決を目指し、防蟻防腐剤に対する耐性に優れた製品開発を進め、製品化に至りました。
現場での事例写真です。
胴縁まわりからシート内側に雨が侵入していると報告を受け、胴縁を外してみるとシートが変色し、防水性能も低下していました。
水が染みこむメカニズムはイラストの通り。
透湿・防水シートは通常、水の表面張力により雨水が入らない構造となっています。
防蟻・防腐剤に含まれる界面活性成分により、この力が働くなると雨水は侵入してしまいます。
なんだか難しい話でしたが、ご理解いただけたでしょうか?
要するに今までのシートの問題点が改善され、より防水性・耐久性が向上したという事ですよね。
住宅の耐久性をどんどん向上する方向に誘導する以上、透湿・防水シートの防水性を30~50年維持させるのは当然ですよね。
と言うか、10年もてば良い。という現行の基準を知った時は驚きでした・・・。
なお、従来の製品から新製品への切り替えは順次行われる予定ですが、出荷ベースでいうと概ね1か月程度で完了する見込みとなっています。
posted by Asset Red
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