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一戸建てに暮らす約6割もの人が、住まいの温熱環境に満足していないそうです。
首都大学東京建築学域・須永研究室
旭リサーチセンター・ハビトゥス研究所
旭化成建材・快適空間研究所
による『あたたかい暮らし研究会』がまとめた、首都圏における『住まいの温熱環境の実態と満足度』調査報告で明らかになりました。
この調査は、首都圏の一戸建て持ち家(385人)とマンション持ち家(376人)を対象に実施したものです。
年間を通じた家全体の温熱環境についての満足度は、全体の55%が「満足していない」と回答。
一戸建住宅の不満率は62%と、マンションの不満率48%を大きく上回っています。
この一戸建住宅居住者の季節ごとの不満度をみると
春(38%)、秋(36%)
と比べて、
夏(67%)、冬(67%)
の不満度は高く、約7割もの人が夏・冬の温熱環境に不満を持っている事が判ります。
住まいの温熱環境の不満理由は
「冬季、暖房しないと寒い。」
「暖房している部屋とそれ以外の部屋で温度差がある。」
「暖房していても寒い。(暖房器具の効きが悪い。)」
となっていて、多くの項目で戸建ての方がマンションに比べて不満率が高くなっています。
その中でも
「暖房しないと寒い。」
「暖房していても寒い。」
「隙間風がある。」
「1・2階の温度差がある。」
の4項目については、特に大きな差がありました。
一戸建住宅居住者の、冬季部屋別温熱環境の不満度は
トイレ(82%)
洗面所(82%)
玄関(78%)
浴室(75%)
台所(63%)
寝室(61%)
居間・食堂(55%)
の順になっていて、特にトイレ・洗面所・玄関は約8割もの方が不満を持っています。
また冬季に居間・食堂の団欒時と起床時の室温を自己申告してもらうと、マンション・一戸建て共に前者が21~25℃であるのに対し、後者はマンションで11~20℃、一戸建てで6~15℃となっていて朝の室温の低さにも差が出ている事が判ります。
また、一戸建て住宅の冬季の居間・食堂における起床時室温が10℃以下である割合を築年数別にみてみると
築0~10年・・・32%
築11~20年・・・47%
築21以上・・・52%
と古いものほど高い事もわかります。
室温10℃以下といえば、血圧上昇や心臓血管疾患を発症するリスクが高まる状態です。
「寒いから部屋で厚着してるよ。」なんて言ってる場合じゃありません。
喉から肺に入った冷たい空気が、確実に身体を蝕んでいます。
その結果が、平均寿命と健康寿命の差となる訳です。
健康寿命という言葉、ご存知ですか?
日常生活に制限のない期間を言います。
体調が悪く健康保険のお世話になっている人や、年中病院に通っている人は健康寿命にカウント出来ません。
平均寿命は世界一の我が国ですが、健康寿命は先進国の中でも下から数えた方が早いとか・・・。
住宅後進国のレッテルは当分剥がせそうもありません。
暖かい家に住みましょう!
そして、天寿を全うするその日まで、健康で元気にいたいものですよね。
ピンピンコロリを実現するためには、全ての部屋で室温21℃を下回らない生活を送るしかありません。
そんな事実さえ知らない方が、全体の34%もいたそうです。
53%の方は「なんとなく知っている。」と答え、13%の方しか「知っている。」と答えなかったとは・・・。
住宅業界に籍を置く一人として、恥ずかしいやら情けないやら・・・。
もっと情報発信をしなければなりませんね。
posted by Hoppy Red
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