空気には水蒸気が含まれています。
空気に含む事のできる水蒸気の量は、温度によって大きくことなります。
高くなるほど多くなり、低くなるほど少なくなります。
10℃上昇すると、その量はおよそ2倍にもなるそうです。
暖かい室内空気を冷やすと、空気中の水蒸気が飽和状態になる事があります。
この時、水滴が生じます。これを『結露』と言います。
こうした、水蒸気を含むことの出来る限界点(結露が生じる温度)を『露点(露点温度)』といいます。
冬季の『断熱材の充填された壁』は、室内側が暖かく外気側に近くなるに従い温度が下がります。
室内から侵入した水蒸気は、断熱材を密閉していないと断熱材自体に入り込んでしまいます。
例えば断熱材の温度が室内側は20℃、外気側は6℃だとします。
露点はあるのでしょうか?
20℃/湿度50%の時の絶対湿度は8.65g/㎥です。
6℃の時の飽和水蒸気量は7.30g/㎥ですから、1.35g/㎥余ってしまいます。
相対湿度で言えば118.5%。
どこかに露点があり、結露が発生している事になります。
①断熱材の室内側に防湿・気密シートを隙間なく施工する。(水蒸気の侵入を阻止する。)
②断熱材の外気側に透湿シートおよび通気層を施工する。(水蒸気を速やかに排出する。)
どんなに丁寧な施工を行ったとしても、水蒸気の侵入をゼロにする事は不可能です。
少しでも隙間を無くす努力をする事は言うまでもありません。
また、隙間の大きさを測定する『気密性能測定』も必須と言えるでしょう。
弊社が採用している『ウレタン断熱パネル』の素材内部には、空気および水蒸気がほとんど存在しません。
従いまして、素材内部に結露が発生する事はありません。
ウレタン断熱材であれば良いという訳ではありません。
現場で発泡を行うスプレータイプのウレタン断熱材の場合は、空気や水蒸気を多分に含んでいますので先述の防湿・気密シート施工を行うのが良いでしょう。
それを省略したいのであれば、壁の構成を入力する事で結露の有無を判定するソフトを利用して、安全の確認をおこなってください。