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以前にも何回か話題になったと思います。
室内温度を上げる『熱源』と言えば、エアコン・ストーブ・床暖房・・・。
こうした暖房器具は当たり前です。
でも、他にもあるんですよ。
家の中を見回してください。
写真は弊社事務所を撮影したもの。今朝、撮りました。
温度ムラが凄いですね。
外皮強化型高性能エコハウスをつくる工務店の事務所としては失格です・・・。
天井のエアコンはもちろん、照明・机の上のパソコン、サーバーやOA機器等々、熱源はたくさんあります。
写真はサーバーです。23℃位に発熱している部分も見られます。
こうした家電製品・OA機器は、その種類がなんであれ、消費した電気を最終的には『熱』として放出します。
こうして放出された熱を『内部発熱』と言いますが、この全てが室温上昇に使われるとどうなるでしょうか?
空気の比熱はとても小さいので室温はすぐに上がってしまいます。
実際には空気を暖めた熱は低温の壁・床・天井等へ熱移動する為、室温上昇はすぐには起こりません。
低音部の温度が室温と同じになって、ようやく室温上昇が始まります。
前先生の『エコハウスのウソ』の中にある、『内部発熱で室温は1時間にどれだけ上がる?』というコラムをご紹介します。
壁で完全に囲まれた10帖ほどの部屋をモデルとして、家電による空気の上昇をシュミレートしました。
床面積は16.0㎡、4.0m×4.0m。天井高さは2.5m、気積は40.0㎥となります。
壁・床・天井の合計面積は、16.0㎡×2+(4.0m×2.5m×4)=72.0㎡。
空気の比熱は1.2kJ/K・㎡ですから、空気温度が1時間に1℃上昇する時に必要な熱は
40.0㎥×1.2=48kJ/時=15Wとなります。
つまり15Wの発熱があれば、空気温度は1時間に1℃上昇する事になります。
ちなみに室内表面の熱伝達率(対流+放射)は9W/K・㎡とすれば、表面温度が空気よりも1℃低い場合に吸収される熱量は
72.0㎡×1℃×9≒650Wとなります。
上の表を見ると、人間の体温の影響もけっこう大きいんですよね。
大人1人当たり、100Wに当たります。
表中真ん中の温度は、空気から壁・天井・床への熱移動がない場合の温度上昇の様子です。
また表中右側の温度は、表面温度が1℃低い場合の熱移動による温度上昇の様子となります。
事務所の小型の電気ストーブのW数を見ると700W・1400Wの切り替えになっています。
事務所には大人が5人いますから、100W×5人で500W。
100Wのパソコンモニター×6台で600W。
50WのLED照明×12灯で600W。
これだけで、1700Wになります。
電気ストーブを上回る熱量です。
その他、OA機器もたくさん稼働しているし、エアコンもバンバン稼働しています。
暖かくなる筈なんですよね。
昨年、ガラスを省エネタイプに交換し、ハニカムサーモスクリーンを入れて随分とマシにはなりましたが、相変わらず床が冷たい・・・。
上の写真は、既存の単板ガラスを真空断熱ガラスに交換したアルミ製入口ドアの様子です。
ガラス温度は20℃を超えているんですが、フレーム温度は14.3℃になっています。
また下の写真は、ハニカムサーモスクリーンを取り付けた窓の様子です。
こちらも単板ガラスをアタツチメントペアに交換しています。
隣の窓は木製ブラインドになっています。
温度差がよくわかると思います。
ヒートポンプ式パネルヒーターによる輻射熱で常時暖められているんですが・・・。
これって、性能の悪い住宅と同じですよね。
寒い家を必死に暖房で暖めています。
足元が寒く、頭がボーッとします。
隙間風もピューピュー入ってきますし・・・。
天井・壁・床および開口部の断熱をしっかりと行い、隙間を無くし、換気扇からの排熱ロスを減らす事が出来れば・・・。
こうした熱源を上手に活かして、省エネで暖かい生活を送る事が可能です。
事務所、もっと暖かくしたいなぁー。
posted by Asset Red
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