構造見学会in駒込

FPコーポレーションの呼びかけで、駒込で開催された構造見学会を覗いてきました。

株式会社ストローグ(旧グランドワークス)による

ラーメンフレームによる狭小地での大開口・大空間

と題された、『ラーメンフレーム』を見たり・聞いたり・触ったりするための見学会です。

JR駒込駅から徒歩10分弱のところに建つ木造軸組み3階建てでした。

頂いた資料によれば

敷地面積:約97㎡

建築面積:約75㎡

延床面積:約224㎡

2台駐車可能なビルトインガレージを持つ専用住宅です。

こんな外観イメージになるようですね。

1階はほぼガランドウのようでした。

木造住宅とは思えない架構にひたすら、びっくりでした。

1階ガレージを中から見たところを撮りました。

そしてこれが、2階の大開口です。

6.1mのスパンを間に柱を立てずに実現できています。

これが、ラーメンフレームです。

大開口を実現する為の秘密兵器というところでしょうか。

105×300もしくは105×360の柱と、105×450の梁を専用の金物で接合する事で筋違同様の耐力を有する事が出来るそうです。

従来の門型アーチは、柱×2本と梁が門型に組まれていて、それを現場までクレーンで運び、設置する工法でした。

でも今回のフレームは、それぞれをバラバラに設置する事が出来ます。

随分と施工性が良くなりますよね。

でも、結局人力で揚げられる荷重ではありませんから、結局クレーンは必要になります・・・。

とにかくスパンが大きいので、梁自体のたわみも心配でした。

許可を頂き2階・3階に上がらせていただきましたが、やはりたわみが大きいですね。

歩くと床が弾むような感覚が、少し気になりました。

3階の場合は、建物自体が揺れる感じを強く受けました。

もっとも、合板筋違を全く施工していなかったので、その分を割引きしないとなりませんよね。

もうひとつの特徴は変形間取りへの対応です。

一般的には90度の出入り隅が当たり前ですよね。

45度とか60度のように変形している場合は、こうした金物は使えないんです。

でも、この金物はこうした角度も対応可能との事。

これは、うれしいですね。

その部分の金物を下から撮ってみました。

 

弊社でも、金物工法は部分的に採用しています。

構造金物による、ウレタンパネルの切欠きが要らないため省施工になります。

でも金物が嵩張るため、搬入費が相当割高になります。

特殊な金物も使うのもコストアップの要因です。

コストダウンについては、中々難しいと思われます。

そして何より・・・。

ドリフトピンの熱橋対策がネックなんですよね。

躯体の外側に断熱材を外張りするくらいしか方法がありません。

充填断熱+外張り断熱(付加断熱)の建物であれば、採用してみたいですね。


以下、我がFB友達でもある昆寛(コン ヒロシ)氏/住まい環境プランニング技術顧問のページの中より、その一部を抜粋・加筆してご紹介したいと思います。

組み立て方が容易で現場での工期は短い。

剛接合なので3階建住宅に適している。また、梁を大きく飛ばす大空間も演出する事が可能。

接合部に継手・仕口を使わないので軸材(梁・柱)の断面欠損が少ない。

などの理由で昨今は、金物(ドリフトピン)工法が増えてまいりました。

構造的に見ると『金物工法』は通常の『在来工法』と比較して、安定かつ強度があることは間違いありません。

でも、熱環境の面から見ると熱橋が非常に多く存在し、ピンあるいはボルトの部分に結露が起こる心配がありますので施工には充分気をつけなければなりません。



例えば、これは在来金物工法の写真です。

屋根・壁に構造用合板を張り、屋根・壁共に充填断熱(軟質ウレタンフォーム吹付け)をしています。

一見すると気密性・断熱性が高いように見えます。
断熱施工精度にムラもなく、綺麗に施工がされていて問題はないように見えますよね。

でも、写真の丸印のドリフトピンが外部に貫通していて熱橋になっています。

構造用合板9mm一枚で熱橋を防御している(構造用合板がないとドリフトピンが剥き出しになっている。)ことになります。

熱橋対策としては不完全です。

上の写真は付加断熱(外内ダブル断熱)のボルトとドリフトピンです。

ボルトの部分は座彫り(ざぼり)をして一液性のウレタンを充填して熱橋を防御しています。

しかし、ドリフトピンの部分は隙間は小さいのでウレタンでも充填が難しいため防御できません。

外張り工法のように外部からスッポリ包むことができれば、この欠点は解消されます。


私が危惧している事を、キチンと説明してくれています。

URLを貼っておきます。興味をお持ちの方は是非ご一読ください。

大変為になるページです。

http://dannetu35.blog90.fc2.com/blog-entry-190.html

大きく梁を飛ばす際のバウンドについては、色々な方法である程度解消する事が可能だと思います。

コストと、熱橋対策を解決できれば是非採用したい工法だと思います。

ただし、大きなクレーンを横付け出来る敷地条件に限っての事ですけど・・・。

 

https://www.assetfor.co.jp

posted by Assed Red

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