地盤は土粒子(固体)・水分(液体)・空気(気体)の3要素からできています。
固体でも液体でもない半固体の物質で、固体分である土粒子だけがぎゅっと詰まっていれば岩石となり、水分が多ければ決まった形をなさないヘドロとなります。
ヘドロに建物を載せて持ちこたえるわけがないことくらいは誰にでもわかりますよね。
でも中には一見大丈夫そうに見える地盤なのに水分が多く含まれていて、建物が載ることで地中の水分が搾り出され、周辺に少しずつ追いやられるという現象が起こります。
地盤から水分が抜けると…
それまで水で満たされていた地盤から水分が抜けると、排水された水分量に相当する体積の収縮が起こります(これを「圧密」と呼びます)。
すなわち地盤が下方に向かって沈降するのです(圧密によって地盤が沈下することを「圧密沈下」といいます)。
ここで注目すべきは水が抜けるスピードです。
多くの場合は年間の沈下量が数mm程度しかないので、かなりの水分が排水され、地盤の沈降が顕在化し、建物に影響を及ぼすまでには数年以上を要するのです。
ここで言う『圧密』が沈下の原因です。
不均等に沈下し、4方の沈下量に差が生じることを『不同沈下』と言い、均等に沈下することを『同沈下』と言います。
一般的には同沈下を問題にする事はありません。
不同沈下が起こると、その上に建つ建物は傾いてしまいます。
その結果、基礎や外壁に亀裂が入ります。
ドア・窓・建具などの開閉も困難になり、下水排水に支障をきたす事もあるでしょう。
建物の資産価値を顕著に低下させるだけではありません。
そのまま傾いた家に暮らしていると、めまいや肩こりなどの身体的な支障をきたします。
平衡器官のバランスが崩れ、自律神経失調症に陥るなど住む人の健康にも悪影響を及ぼします。
不同沈下の原因は色々ありますが、その対策のひとつが『地盤改良(地盤補強)』です。
地盤改良工事にも、色々な工法があります。
今回採用したのは『柱状改良』です。
工事の様子は、後程アップする予定です。