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「カビとインフルエンザ」と題された記事でしたが、
ガラスの瓶に食パンとレッドパインの木片を詰めた写真が目を引きます。
5年間、この状態で経過しているそうてすね。
ガラス瓶に食パンを入れたものにはカビが生えていたそうですが、木片入りには生えていなかったそうです。
木材に調湿性がある事は有名です。
木材の廻りの湿度を吸ったり吐いたりする事で、ガラス瓶の中の空気を一定の湿度に保っていたのでしょう。
バクテリア・ウイルス・真菌類の繁殖は、空気中の湿度と無関係ではありません。
人間にとっての最適湿度と言われる「40~60%」であれば、それらの繁殖が抑えられる事もわかっています。
木片が、ちょうどいい湿度を保ってくれたようですね。
木材と健康に関するデーターをいくつかご紹介します。
木材は、人の生理面や心理面に良い影響を与えることが知られています。
例えば、特別養護老人ホームでの調査によると、木材を多く使用している施設では、インフルエンザにかかったり、転んで骨折をしたりする入居者が少ないという結果が出ています。
有意差(P<0.01)の認められたもの
資料:全国社会福祉協議会「高齢者・障害者の心身機能の向上と木材利用-福祉施設内装材等
効果検討委員会報告書」。調査期間は平成9年12月から平成10年1月。
上のデーターを見ると、スギの香りが脳活動と自律神経活動を鎮静化させ、リラックスさせるようです。
資料:森林総合研究所 宮崎良文ら
でも、これって無塗装の場合ですよね。
表面に塗料を塗ったらどうなんでしょうか?
ちょうどいいデーターがありました。
上のグラフはスギに塗った塗料の塗膜の厚さによるストレスの度合いを金属と比較したものです。
これを見ると、無塗装と塗膜の薄いスギ材は同様の血圧変化をしますが、塗膜の厚いスギ材のそれは金属とそれほど変わりません。
木材を使えば良いという訳でもないようですね。
木材の種類によっても若干の違いはあると思います。
いずれにしても、木材の持つ他の素材にない特長は、人間の暮らしにより良い環境を与えてくれるのは間違いないようですね。
弊社でも、無垢材の使用を心掛けています。
塗装も天然植物オイルを使用した「塗膜の薄いもの」です。
「冬季に家中の室温を19度未満に下げない事」が健康住宅の絶対条件ではありますが、木材のような天然素材の利用も健康の維持・促進には効果的ですよね。
昨今、省エネルギー基準をクリアした住宅を「高断熱・高気密住宅」と呼んでいるケースが非常に多く見受けられます。
確かに従来の家よりは高い断熱性を持っているのでしょう。
近大の岩前教授はこう言っています。
「UA値0.6W/㎡・K以下であれば、健康を阻害する事はありません。」
「また、これ以上の断熱性能であっても健康に関する優位性に変わりはありません。」
「これ以上の断熱性の向上は、省エネ性の向上に繋がります。」
UA値0.6W/㎡・K以下という事は、ZEHの外皮基準程度という事です。
せめて、この位の性能は確保するべきかと思います。
残念ながら、先程の省エネルギー基準をクリアした住宅はこのレベルに達していません。
気密性能に至っては、「気密性能測定」を実施していない建物が圧倒的に多数というのが現実です。
C値1.0㎠/㎡以下を切る気密性能を有した住宅を高気密住宅と言いたいものですが、この辺りの規制は特にありません。
言った者勝ちというところでしょうか・・・。
高断熱・高気密住宅であれば、「機能する計画換気」も必須となります。
24時間換気システムを装備すれば良いのではなく、それがキチンと機能しているかどうかを現場で確認する必要があるという事です。
そのためには、「換気風量測定」をするしかありません。
高断熱・高気密・機能する計画換気の家+健康素材=高性能エコハウス
と弊社では定義しています。
健康住宅や高断熱・高気密住宅と謳われた住宅を見かけたら、その根拠を聞いてみましょう。
UA値0.6W/㎡・K以下
C値1.0㎠/㎡以下(気密性能測定の有無)
24時間換気システムの設置と換気風量測定の有無
室内空気環境測定(ホルムアルデヒドやVOC濃度の測定)
合板建材やビニールクロスの多用は避ける
その他にも色々あると思います。
でも、上記赤字の部分は必須です。
ひとつでも掛けていれば、残念ながら普通の住宅と言わざるを得ません。
いわゆる片手落ち・・・。残念です。
posted by Assed Red
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