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内部結露は、壁や天井の中に水蒸気が侵入するのが原因です。
外気温度と、侵入した水蒸気の温度に温度差がなければ結露を起こす事はありません。
でも、寒い冬に外気温度と室温が同じなんてあり得ないですよね。
侵入する水蒸気の量を減らす。
侵入した水蒸気を速やかに外気へ排出する。
以上の2つが、内部結露を防ぐ対策です。
ご存知でしょうか?
ほとんどの材料は、程度の差こそあれ水蒸気を通します。
「ベニヤが水蒸気を通すはずないじゃん!」という声が聞こえてきそうですよね。
内部結露の問題が中々理解できない理由のひとつに
「材料は水蒸気を通す性質がある。」
という事を直感的に理解しにくいことがあります。
『透湿抵抗』という言葉があります。
あまり耳慣れない言葉だと思います。
これは、材料がどれだけの水蒸気を透過させるかを示すものさしです。
単位は、m3・h・mmHg/g。
1㎡当たり、1時間に1gの水分(湿気)を通すのに、いくらの気圧差(mmHg)が必要かを表します。
数値が大きいほど水蒸気を通しにくく、小さいほど通し易くなります。
防湿・気密シートとして知られるポリエチレンシートは、防湿・気密材として使われています。
このシートの透湿抵抗は300㎡・h・mmHg/gです。
反対の性質を持つ透湿防水シート(水蒸気は通すが水は通さないシート)の透湿抵抗は0.4㎡・h・mmHg/gになります。
ちなみに工事現場でよく見かける、厚さ9mmのベニヤの透湿抵抗は16.8㎡・h・mmHg/gですからポリエチレンシートの約17.8倍も水蒸気を通すことになります。
例えば、昔の建物の壁は厚さ60mmほどの土壁でした。
調湿(水蒸気を吸ったり吐いたり)性があると言われていますが、その透湿抵抗は6.1㎡・h・mmHg/g。
ベニヤの2.7倍ほど水蒸気を通しやすいだけなんですね。
すべての材料は程度の差こそあれ、水蒸気を通すという事を認識せず、防湿措置をおざなりにした結果が内部結露を招くことになっていた訳です。
代表的な材料の透湿抵抗を下に示します。
参考にしてみてはいかがでしょうか。
posted by Assed Red
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