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様々なところで表記のような記事を見ることがあります。
私の手元にある
『日経アーキテクチュア』2017 2-9
にも
『水』に負けない設計術
という特集の中に同じような記事が載っていました。
いまさら・・・。
という感も否めませんが、敢えて掻い摘んでご紹介したいと思います。
まずは、軒ゼロ住宅の定義です。
軒の出がない住宅を『軒ゼロ』と呼んでいるのはご存知の通りです。
その目安としては以下の通りです。
柱芯から軒先までの距離が250mm以下
けらばの場合は150mm以下
片流れ屋根の棟の場合は150mm以下
弊社の建物も、これに該当するものが多々あります。
上グラフは、日経ホームビルダーが調べた『一般的な戸建住宅に軒ゼロ箇所がどの程度存在するか』というデーターです。
首都圏のある都市では、ここ10年間ほどの間に完成した住宅200棟を対象としています。
新築住宅の1/3は軒の出が無い住宅なんですね。
日本住宅保証検査機構(JIO)は2010年7月から16年6までに保険金の支払いを認めた雨漏り事故案件を対象に、それぞれの雨水侵入箇所で軒の出の有無を調査しました。
その結果は、軒の出が無い箇所での雨漏りは71.8%にもなり、軒の出がある箇所に比較すると約5倍も雨漏り発生率が高いというものでした。
また、屋根の形状による雨漏りの発生率も調査しています。
片流れ>切妻>寄棟>腰折れとなっています。
片流れにおいては、棟からの漏水が多いようですね。
特集では、雨漏りの少ないディティールと施工のポイントも紹介しています。
でも、それほど特別な事は書いてありません。
弊社が普通に行っている施工で問題ないようですね。
敷地条件に問題がなければ、極力軒ゼロ住宅は避ける。
避けられないのであれば、お金を掛けてでもしっかりと雨漏り対策をとる。
また現場においてはディティールを確認し、ポイントごとにしっかりとチェックをする。
改めて、徹底したいと思いました。
一応書いておきます。
弊社の軒ゼロ住宅では、雨漏りは発生していません。
以前、JIOの方に聞いた事があります。
瑕疵保険物件で雨漏りが発生した場合、保険で修理費やその他諸々の費用を支払います。
私達が支払った保険費用は、こうした案件で費やされている事になります。
雨漏り事故を起こした業者の名前は公表される事はありません。
でも、それ以降の保険費用は割高になるそうです。
コスト増につながりますから、事故業者は他の瑕疵保険に変更します。
瑕疵保険会社間で事故業者情報の共有はないそうです。
つまり、瑕疵保険会社を一巡するまでは事故業者はそれほど困らない事になります。
こんな制度を早く改めてくれれば、事故を起こさない弊社のような会社(多くはこれに当たります。)の保険費用はもっと安く出来るはずですよね・・・。
施工を考えない設計
無理な設計をそのまま施工する工務店
何も知らずに、恰好ばかりを気にして雨漏りに泣く消費者
どうして、こうした悲劇が起きたのか。
詳しく分析し、公表する。
結局、こうした情報がもっと広がる事で、少しずつ減らしていくしかないのかもしれませんね。
posted by Assed Red
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