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近年、ガラスの性能が大きく変っています。
ペアガラスが住宅に使われ始めたのは、30年ほど前の事。
当時の北海道ではそれまでの2重窓からペアガラスの入った樹脂サッシに変わり始め、隙間風もほとんど無くなりました。
それから10年もしないうちに『Low-Eガラス』という、太陽熱は取り込めるが室内熱は反射するガラスに変わります。
そして約10年。
2枚のガラスの中にアルゴンガスを封入した『Ar Low-Eペア』に変わりました。
また北海道では、5~6年前から樹脂サッシにAr Low-E/トリプルガラスを嵌め込んだ窓を使い始めています。
Low-Eガラスを2枚使い、アルゴンガスを2層封入し、U値を小さくしたガラスです。
熱の逃げる量はずいぶんと小さくなりますが、反対に日射取得量も大幅に減ってしまいます。
南面への使用については、充分な検討が必要となる窓という訳です。
上手に使わなければ、Q値・UA値は小さくなりますが、暖房エネルギーは思ったほど小さくなりません。
日射取得タイプ・日射遮蔽タイプを上手に使い分けると共に、場合によっては敢えて日射取得量の少ないトリプルガラスではなく日射取得量の多いペアガラスを使うことも必要でしょう。
今では更に改良されて、空気層を16mmにしたガラスが流通しています。
以前は6~12mm程度であった空気層でしたが、これが16mmになることでU値は最も小さくなるんです。
それぞれの外気温時における、室温20℃でのガラスの表面温度を示した図です。
例えば外気温0℃の時、室温20℃の部屋にあるAr Low-E/トリプルガラスの表面温度はおよそ19℃。
空気層16mmのAr Low-E/ペアガラスの表面温度はおよそ17℃。
一般的なペアガラスの表面温度はおよそ14℃となっています。
随分と違いますよね。
そうそう、ガラスだけの問題ではありません。
サッシの構造や、ガラススペーサーの種類も重要です。
アルミサッシ>アルミ+樹脂複合サッシ>樹脂サッシの順で熱は逃げにくくなります。
またアルミスペーサーよりも樹脂スペーサーを使う事で、ガラス周縁部の温度を高くする事が出来ます。
性能が高くなったと言われるこれらの断熱サッシですが、壁の断熱性能と比較すればまだまだのレベルです。
窓の計画には、充分な配慮が必要な事は言うまでもありません。
『FPの家 T邸』の窓は樹脂窓+Ar Low-E/ペアガラスです。
空気層の厚さおよびガラススペーサーの種類は窓により異なります。
防火窓は、空気圧11mm+アルミスペーサー。
そうでない窓は、空気層16mm+樹脂スペーサー。
今週の日曜日に構造現場見学会を開催します。
両者の違いを皆様の目でご確認ください。
サーモカメラをご用意して、お待ちしています。
こんなに違いはないと思いますけど・・・。
posted by Assed Red
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