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熱伝導率の数値だけを見て
「発泡プラスチック系のほうがグラスウールより優れている」
と判断するのは大きな誤解です。
通常、グラスウールは発泡プラスチック系よりはるかに厚みを持って使用されています。
ご存知でしょうか?
断熱材の厚みは断熱性能にそのまま比例します。
発泡プラスチック系はほとんどの場合、外張断熱で使用されています。
外装材を支えるビスの耐久性などの問題で、その厚さ50㎜程度が限界と言われています。
厚みを考慮した一般的な施工時の断熱性能では、グラスウール が最も優れた断熱材と言えそうです。
繊維と繊維の間に含まれた空気がグラスウールの熱を逃さない秘密です。
周囲の湿度に同調して断熱材内に湿気が出たり入ったりすることがありますが、グラスウールは元々吸湿性を持たない無機質材料です。
素材そのものが湿気を吸うわけではありません。
「グラスウールは湿気に弱いため、内部結露の原因になる」というのは誤解です。
断熱材に隙間があったり防湿が不十分だったりすると、湿気が壁などの内部に侵入し、内部結露が発生しかねません。
かつては知識不足や不適切な施工が原因でこうしたトラブルが発生していました。
グラスウール以外の断熱材でも施工が適切でないと結露が発生する可能性はあり、正しい施工こそが結露を防ぐ唯一の方法といえます。
もっと詳しく知りたいと言う方は、以下のページをご覧ください。
https://www.isover.co.jp/glasswool-life/about_glasswool/misunderstanding
間違った事は書いてありません。
ただし、素材自体に吸水性がないから水分を貯め込まないという意見には疑問が残ります。
でも、今回は敢えてスルーする事にしました。
あくまでも、施工次第で断熱材の性能は大きく変わってしまうと言う事が重要です。
断熱材として一般的に使われているグラスウール。
計算上の数値と実際の結果(体感)が大きく異なってしまう事もあるようですね。
例えばこんな写真があります。
サーモ画像です。
右側から順番に
厚さ60mmの硬質ウレタンフォーム
厚さ100mmのグラスウール
そして一番左側は無断熱となっています。
断熱材の向こう側の温度は30℃になっています。
それぞれのR値を求めてみましょう。
厚さ60mmの硬質ウレタンは
R=60÷24=2.5
厚さ105mmのグラスウールは
R=105÷38=2.7
となりますよね。
つまり、グラスウールの方が若干断熱性能が良い筈なんです。
でもサーモ画像を見てみると、グラスウールの方が赤くなっています。
これって、断熱材の向こう側の熱をより伝えているって事です。
施工が悪いのか
断熱材自体の性能にムラが多いのか
実際のところはわかりません。
でも結果的には、数値上熱を伝えやすい硬質ウレタンフォームの方がグラスウールよりも熱を伝えていないんです。
写真の状況は夏をイメージしています。
でもこれが冬であったら・・・。
冬の冷たい外気温が断熱材をすり抜けて室内側に伝わってしまったら、内部結露を招くことになりかねません。
恐ろしいですよね。
グラスウールによる高断熱住宅をつくる全ての工務店に
「過去の知識不足と不適切な施工」がないことを祈りつつ
今回のブログを終えたいと思います。
施工者や現場管理者の経験や知識に頼る工法は、やっぱり不安ですよね。
posted by Asset Red
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