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先日の黒部弾丸ツアーの様子をお送りしています。
第2回目は、いよいよパッシブハウス前沢。
今回のツアーの最大の目球でもあります。
私自身、パッシブハウスを体験するのは初めてなんです。
どんな温熱環境なのか、ワクワクドキドキでした。
パッシブハウスという言葉を検索すると、ウィキペディアにはこう書かれています。
建物の性能を上げる事により
高性能熱交換器による空調設備だけで
アクティブな冷暖房器具が不要であるという意味合いから『パッシブ(passive:受身の)』の名が付けられた。
西洋人にとって通常の暖房器具とされる『セントラルヒーティング』が不要である事から
『暖房器具の無い住宅』と呼ばれることもあるが、冷暖房器具が不要な訳では無い。
つまり無暖房(無冷房)住宅の事ではない。
また、その性能基準は以下のようになっています。
①断熱性能が0.15wh/㎡以下
②年間一次エネルギー消費量(家電も含む)120kwh/㎡以下
③気密性能として50㎩の加圧・減圧時の漏気回数0.6回以下
(漏気回数0.6回以下は、隙間相当面積(C値)=0.2c㎡/㎡以下となります。)
④換気は熱交換タイプとし、熱回収率は75%以上
また、パッシブハウスジャパンの森みわ氏は自著『世界基準の「いい家」を建てる』の中で以下のように述べています。
「住み手の健康を守るために必要な換気量を温度調節することで、冷暖房が可能となるような、建設コストを抑えた居住性の高いアフォータブル省エネ住宅スタンダードである。」
パッシブハウスとは
住む人に快適な住宅
CO2削減などによる、『地球環境への配慮』がなされた住宅
コストパフォーマンスに優れた住宅
ということになります。
ドイツでは、どんどん住まいの省エネ化が進んでいるんですね。
我が国も見習わなければいけません。
写真撮影およびSNSへの投稿は一切NGという話を以前から聞いていました。
でもアテンドをしてくださった山名氏のご厚意により、写真は撮らせていただけました。
ラッキー!
でも写真のSNS投稿は一切NGとの事。
やっぱり・・・。
「外観写真くらいならばいいですよ。」
早速載せさせていただきます。
きれいな青空が映える建物ですよね。
思ったよりも小さい建物のようです。
でも、詳しい話を投稿することはできません。
玄関には『パッシブハウス』の証がさりげなく飾ってありました。
この位はいいですよね・・・。
どんな建物なのか、皆さんも興味ありますよね。
以下に設計者による紹介記事を貼っておきました。
是非、ご覧ください。
外皮性能を高める事で、冷暖房の消費エネルギーを削減することに成功している建物です。
木造軸組工法に充填断熱+付加断熱を行っています。
基礎断熱工法として、床下に10畳用のエアコン×1台を設置。
これだけで全館暖房を実現しています。
お邪魔した時のエアコン設定は26℃。
室温も26℃位に安定しています。
当然、ケストレルとサーモカメラは持参しました。
お見事!
窓が赤くなっていますが、床・壁・天井は温度ムラもなく均一です。
床下エアコン特有の床グリルからの高温吹き出しもほぼ見られませんでした。
天気が悪く、日射取得が出来ない日は多少あるんでしょうね。
窓の下に設置されていて、ドラフト対策になっているようです。
南向きの窓は日射取得型になっていました。
YKK APの樹脂窓『430KR(樹脂フレーム内にウレタン充填タイプ)』に
アルゴンガスを封入したLow-E/3層ガラスを嵌めた特別品です。
この日は珍しく快晴。
見事に日射取得していて、窓温度は30℃くらいになっていました。
まさに天然のストーブです。
山名氏が色々と詳しい話をしてくださいましたが、天気の良い日は室温28℃超もざらにあるようですよ。
いわゆる『オーバーヒート』です。
こんな日は、窓を開けて通風を行います。
涼しい外気はリビングを抜け、2階の高窓から暖かい空気を排出してくれます。
2階ホールにいれば、涼しい微風を感じることも出来ます。
採風設計も見事に出来ているんですね。
あっという間に室温が下がっていきます。
至るところに室温センサーや湿度センサーが設置して有ります。
HEMSも設置しているので、消費エネルギーも全てわかります。
その様子はモニターされていて、完成時から記録されているそうです。
いずれは、こうした記録もオープン化するんでしょうね。期待しています。
その記録を見ると、視察ツアーによる人の出入りが行われた日がすぐにわかるそうです。
温度・湿度が一遍に上がるからです。
床下にも連れて行ってもらいました。
エアコンもほぼ動いていません。
築1年ちょっとですが、床下の湿度は室内よりも6%程度高いだけでした。
床下エアコンが基礎に含まれた水分をうまく蒸発させているようですね。
ここまでレベルの高い断熱になると、基礎断熱もメリットばかりのように思えます。
あとは、シロアリ対策だけですね。
建物の事はあまり書けないので、最後に感じたこと書きたいと思います。
説明の途中、山名氏の口から洩れた一言です。
「機会を得て、この家に出入りさせていただいています。」
「一年の大半は、この家にいることになります。」
「1年前と比べて、確実に温度・風・湿度に敏感になっていると思うんです。」
そうなんです。
自分自身の体験も含めて、弊社のお客様の話を聞いていて感じることなんですが、快適な環境にいると温熱に関する完成って確実に敏感になるんですよ。
ご入居の際
実際に暮らしてみて
あったかい
涼しい
エアコンの風が気にならない
隙間風がない
温度ムラがない
などのうれしい体験も
年月を経るうちに
隙間風を感じる
寒くなった気がする
に変わるんですよね。
決して気密性能や断熱性能が劣化している訳ではありません。
住んでいる人が敏感になっているんですよね。
引違サッシの敷居付近からの秒速0.1mにもならない微風を感じたり、温度17℃くらいの自然給気口から洩れる新鮮空気を寒く感じたり・・・。
でも、それを不満に感じると言うよりも不思議に感じる。
何故なの?
説明すれば、納得してくれます。
こうした感性が優れてくればくるほど、住まいに対する性能要求も高くなっていきます。
寒い家では暮らせなくなります。
山名氏の話に戻りましょう。
風邪をひかなくなったそうです。
恐らく体温も少し高くなっていると思います。
暖かい家は身体の免疫機能を高める事がわかっています。
快適で健康に良い、パッシブハウスを体験したら
普通の住宅には住めないですよね?
聞いてみました。
「パッシブタウンにすんでいるんです。」
「だから、それほど問題はありません。」
次回はパッシブタウンについて書きたいと思います。
山名さん、ありがとうございました。
大変、勉強になりました。
楽しく、充実した2時間でした。
ちなみに2時間も視察する人はいないそうです・・・。
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