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練馬・板橋は生憎の天気です。
昨夜からの雨も残り、気温も低いまま。
それでも桜は少しずつ花をつけてきました。
いよいよ、花見シーズン到来でしょうか。
写真は今朝、現場付近で撮影した桜です。
天気が悪いので、あまり綺麗に映っていませんね。
すいません・・・。
今回は、『結露』について書いてみたいと思います。
ジョッキにビールを入れておくと、ジョッキの外側に水滴が付きます。
これが『結露』です。(もう花見気分です・・・)
この現象は、寒い冬の住宅において日常的に目にする自然現象でもあります。
例えば、
窓ガラスに水滴が付く。
北側の冷たい外壁に接した部屋の壁や押入れが湿って、クロスが剥がれたり、カビが生える。
隣の非暖房室との境の冷たい間仕切り壁に接する暖房室の壁が湿って、クロスが剥がれたり、カビが生える。
思い当たること、ありますよね。
結露のメカニズムって、どうなっているんでしょうか?
温度が高い空気は水蒸気を多く含むことが出来ますが、冷たい空気は水蒸気を少ししか含むことが出来ません。
1m³の空気に含まれる水蒸気の最大量を『飽和水蒸気量』と言いますが、飽和水蒸気量は気温によって異なり、温度が10℃高くなる毎に、約2倍になります。
飽和状態の時の気温を『露点』と言います。
例えば・・・
気温25.0℃の時の空気の飽和水蒸気量は23.1g
気温10.0℃の時の空気の飽和水蒸気量は9.4g
となります。
つまり相対湿度100%の空気 1m³ を25.0℃から10.0℃に冷やすと、13.7g の水蒸気が水に戻ってしまうのです。
温度が高い空気は水蒸気を多く含むことが出来ますが、冷たい空気は水蒸気を少ししか含むことが出来ません。
ですから、暖気が冷えれば保持できなくなった水蒸気が水滴に戻る訳です。
『ガラスや壁の屋内外に温度差があるから結露が発生する。』とも言えますよね。
また、『限りなく湿度を低くすれば、結露の発生を抑える事も可能になる。』とも言える訳です。
前者を目的として発展したのが『断熱』であり、後者を目的としたのが『防湿・気密』です。
でも今回は別の切り口で考えたいと思います。
構造金物の写真です。
羽子板ボルトと言います。
横から映すと、こうなります。
柱と梁や梁と梁の仕口部分の補強に使われる金物です。
イラストの方がわかりやすいかもしれませんね。
柱の手前にある丸い金物を座金と言います。
奥にあるのが羽子板ボルトですね。
外気に面していない部分に使われる限り、温熱的には何の問題もありません。
想像してみてください。
上の写真の左側の部材が、外気に面していたとしたら・・・。
イラストのように、実際には外壁材の内側にある『通気層』の中の外気に面することになります。
温度は高い方から低い方に伝わります。
金属製ですから、よく伝わるんですよ。(だからこうした部分は『熱橋』なんて呼ばれることもあります。)
金物の室内側の温度は高く、室外側の温度は低い訳です。
仮に外気温度が5℃の時に室内温度が21℃であれば、相対湿度35%以上あれば結露しちゃいます。
大変です。
1階部分には、こんな金物が使われています。
基礎に埋められたアンカーボルトに緊結された『ホールダウン金物』です。
この金物は地震対策として、益々増える傾向にあります。
コンクリートって冬は冷たいですよね。
先程の羽子板ボルトと同じように結露する事があります。
結露が発生すると、色々とマズイことになります。
例えば
木材腐朽菌が繁殖する
カビが生える
ダニや白蟻を引き寄せる
これらは結果的に建物自体と、そこに住む人の健康を害することになりかねません。
せっかくの断熱材も湿気を吸ってしまい、性能を発揮することができなくなります。
どんなに良い構造材も腐ってしまえば、耐震性なんて期待できません。
そんな事にならないためには、どうしたら良いと思いますか?
寒さの厳しい北海道では、こんな施工をしています。
座金部分に断熱性能の高い現場発泡ウレタンを吹きつけて、金物に熱が伝わらないようにしています。
写真のように、柱の側面に金物が取り付く場合もウレタンで完全に覆ってしまいます。
ウレタンが固まったところで平らに削り
表面にアルミ気密テープを貼って、水蒸気の侵入を防ぎます。
アンカーボルトおよびホールダウン金物も、写真のようにウレタンでしっかりと覆います。
乾いたらテープを貼りやすいように削り、アルミ気密テープを貼れば完了です。
昔の家は、室内も室外と変わらない位寒かったんです。
コタツやストーブ・囲炉裏などは、すぐそばしか暖められません。
ですから結露の心配なんてする必要もありませんでした。
百数十年前からある『冬寒い漆喰塗りの建物』を、断熱改修をして『冬暖かい家』にしたケースでは
結露が原因で、構造体が腐り、シロアリを招き寄せ、その寿命を短く縮めてしまったと言います。
暖かい家を作るのって、簡単そうで難しいんですよね。
色々な知識が必要です。
それを活かす経験も必要です。
昨日まで普通の家を作っていた工務店が、セミナーに行ってマニュアルを貰って作れるものでもないんですよね。
一旦完成したら
それが正しい施工なのか、そうでない施工なのか
をすぐに判断する事はできません。
手間も費用もそれなりにかかります。
どんな施工が行われているのかを、ご自分の目で確認してください。
もし疑問を感じたら、すぐに質問してみましょう。
明確な答えが返ってこないとしたら・・・。
よく話し合う必要があるかもしれません。
今回書かせていただいたのは、見ればすぐに判断できることばかりです。
「北海道じゃあるまいし、そんな施工は必要ないよ!」
なんて返事が返ってこないことを願います。
そうそう、弊社ではこのような施工は『当たり前』に行っています。
ご安心を!
posted by Asset Red
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