なぜ木は手で触れると温かく感じるのか?

今日と明日はアセットフォーの定休日。

練馬・板橋の桜もようやく咲いてきました。

自然って、やっぱり素晴らしいと思います。

木は温かく肌さわりのよい材料です。

床板を始め建具・家具などの、手や肌に触れる場所に好んで使われています。

色々な種類の木材やセメントモルタル・発泡スチロールなどを、手で触れてみましょう。

同じ温度であっても、セメントモルタルは冷たく感じ、木材はそれほど冷たさを感じません。

発泡スチロールはむしろ温かく感じることでしょう。

肌で感じる温かさを温冷感といいます。

温冷感を大きさに応じて比較すると、次のようになります。

同じ木材であっても、手で触れるとバルサやキリのように軽い木では温かく感じます。

反対にシラカシのように思い木は冷たく感じます。

そのもの自体は同じ温度でありながら、手で触れてみると温かさが違うのは何故でしょうか?

熱は温度の高いところから低いところに移動します。

熱伝導率は、この熱の伝えやすさの指標です。

ちなみに熱伝導率と温冷感は、必ずしも一致しません。

この辺りのことは、割愛させていただきます。

木材は多孔性の材料であり、熱伝導率が低く、鉄やコンクリートと比べると断熱性の高い材料です。

また、触っても冷たく感じにくい材料でもあります。

では本題に入りましょう。

人の体温は概ね36℃位です。

でも、いつも皮膚の表面から熱が逃げているので、手のひらの表面温度は30℃前後まで下がっています。

室温は当然皮膚の温度よりも低いですよね。

室内に置いてある『モノ』の温度は概ね室温と同じになります。

モノに触れてみましょう。

触れた箇所の温度は急速に皮膚とモノの中間温度になります。

発泡スチロールのように熱を伝えにくいものであれば、皮膚から熱が逃げにくいため接触部の温度は徐々に上昇します。

つまり温かく感じる訳です。

一方、金属・コンクリート・石などのように熱を伝えやすいものの場合は、熱が速く逃げるので皮膚とモノの接触部の温度は低下して冷たく感じます。

ここからは少し難しい話になりますよ。

ご勘弁を!

1分位の短時間接触の場合の温冷感は、表面と垂直方向の熱伝導率によって決まります。

しかし、これよりも長い時間接触している場合の温冷感は、熱伝導率のほかに材料の熱容量(比熱×質量)も影響します。

コンクリートや石の床でも、木材を敷くことで冷たさを和らげることが出来ます。

厚さ5mm程度の木板を置くだけでも、1分程度の接触では下地の影響は感じられません。

ただしそれ以上の時間接触すれば、冷たさを感じてしまいます。

木材の上に石膏ボードを貼った場合はどうでしょうか。

石膏ボードが室温と同じであれば、触った瞬間はヒヤッとします。

主な建築材料の熱伝導率を挙げてみました。

値が小さい程、熱を伝えにくい材料となります。

これを見ると、石膏ボードの熱伝導率は0.22W/mKとなっています。

木材は0.12W/mKとなっていますから、木材よりは熱を伝えやすい材料という事になります。

鋼材は53W/mK、コンクリートは1.6W/mKとなっています。

手のひらの熱は石膏ボードに伝わります。

木材よりは冷たく感じますが、金属やコンクリートほど冷たくはないでしょう。

でも下地が鉄やコンクリートであれば、すぐに冷たくなるはずです。

でも木が下地であれば、温かく感じるはず。

ちなみに漆喰や土壁の熱伝導率は0.7W/mK程度となっています。

木や石膏ボードよりも冷たく感じてしまいます。

弊社では、断熱材に手を当てていただくようにしています。

金属板と違い、ヒヤッとする事はありません。

10秒もすれば、温かく感じるようになります。

ある工務店では、冷蔵庫で冷やした木の板と金属板を触ってもらうそうです。

体感することで、納得する事ってありますよね。

 ご自宅の壁を触ってみてください。

手のひらは冷たいですか?

徐々に温かくなりましたか?

いつまでも冷たいとしたら・・・。

色々と問題あると思います。

 

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posted by Hoppy Red 

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