ご存知でしょうか?

バウビオロギーの話を聞いていて、木育に通じるモノを感じました。

すぐ近くにあって、意外と知らない森林の話を書きたいと思います。

日本は森林大国です。

国土面積、約3780万haに対して

森林面積は約2500万ha。

およそ7割に当たります。

ちなみに国連食糧農業機関(FAO)がまとめたGFRA2005によれば

平成17年の世界の森林面積は約39億5000万ha。

南極を除いた陸地面積の約3割に相当するそうです。

世界的に見ても森林率の高い我が国ですが、森林資源の量は1972~2012年の40年間でどのように変わったと思いますか?

人工林(ほとんどが針葉樹)は、7億㎥→30億㎥(約4.3倍の増加)

天然林(ほとんどが広葉樹)は、14億㎥→19億㎥(約1.4倍の増加)

合計では、21億㎥→49億㎥(約2.3倍の増加)

となっています。

もしかしたら、森林資源が枯渇しかけているなんて思っている方がいるかもしれませんね。

でも現実は、木が溢れているんです。

増えすぎた杉花粉・檜花粉に悲鳴を上げている方も多いのではないでしょうか?

手つかずの森林って素晴らしいのかな?

樹木は成長過程で二酸化炭素を吸収し、木材として固定(蓄積)します。

伐採後の木材を段階的に利用する事で、長期に渡り炭素の固定が行えます。

木が腐ったり燃えたりする時に放出される二酸化炭素は、元々樹木が吸収したものなので待機中の二酸化炭素の増加には繋がりません。

これを『カーボンニュートラル』と言います。

木材は再生する生物資源であり、木を植え、成長する分だけ伐って使えば資源量を確保したまま利用することが可能です。

森林の二酸化炭素吸収促進と木造住宅を通じた炭素蓄積の2つは、地球温暖化抑制に繋がります。

木造住宅の二酸化炭素貯蔵量は6t、材料製造時の放出量は5.1t。差引0.9tのマイナスになります。

鉄骨プレハブ住宅であれば、1.5t、14.7tで差引13.2tのプラスです。

鉄筋コンクリート住宅に至っては、1.6t、21.8tで差引20.2tのプラスになります。

いかに木造住宅の環境貢献度が高いかわかります。

 

ここでクイズを出したいと思います。

森の木は、大気中の二酸化炭素を吸収して光合成を行っています。

樹木が吸収する二酸化炭素の量は一本一本異なりますが、例えば、樹齢80年のスギ1本が1年間に吸収する量は大体どの位だと思いますか?

林野庁の算出によれば、適切に手入れされている樹齢80年のスギ人工林の1本が1年間に吸収する二酸化炭素の量は約14kg

自家用乗用車1台から1年間に排出される二酸化炭素量(約2,300kg)は、樹齢80年のスギ人工林約160本(約0.3ha)の年間吸収量に相当します。

成長期の若い森林では、樹木は二酸化炭素をどんどん吸い込み大きくなりますが、成熟した森林や手入れのされない荒れた森林(人工林)では吸収能力が低下します。

下刈りや間伐などの適切な手入れを行い、森の成長を助けることは、二酸化炭素吸収という意味でも大切なんですね。

森林は二酸化炭素を吸収して光合成を行うのみならず、炭素を有機物として幹や枝などに蓄えて成長し、地球上の炭素循環の中で大きな役割を果たしています。

参考リンク

林野庁HP「森林は二酸化炭素を吸収しています」

※参照した林野庁の計算例では樹齢80年のスギとしていますが、樹齢50年のスギで14Kg、と計算するところもあるようです。

樹木は、成長するときにより多く二酸化炭素を吸収します。

ある程度の体積を持つところまで育った若いスギ(10年〜20年くらいの頃)が一生の間でもっとも二酸化炭素を吸収し、そこをピークにだんだんと吸収量を下げていくことになります。

しかし日当たりの悪い場所の樹齢10年木と日当たりの良い場所の樹齢30年木ならば、後者の方がより多くの枝葉を拡げて光合成を行い、二酸化炭素を吸収するかも知れません。

あくまで計算上の目安として考えて下さい。

また極相林と呼ばれる、森全体でそれ以上成長をしない森林は、新しい二酸化炭素吸収源として期待できません。

二酸化炭素吸収源とするには、伐って使って植えて、というサイクルを上手に行うことが重要なんですね。

『戦後植林した人工林資源が利用可能な段階に入りつつある。』

こんな話をご存知でしょうか?

でも国内の林業は、路網整備や施業の集約化の遅れなどから生産性が低く、材価も低迷しています。

森林所有者の林業への関心は低下していて、相続などによる『自らの所有』すら意識しない森林所有者の増加も懸念されています。

このような状況の中、もはや森林の適正な管理に支障を来すことは目に見えて明らかです。

伐採することで、木材という形で炭素を蓄積することが可能です。

伐採せず放置していても、二酸化炭素の吸収はあまり期待できません。

そうした森林がすぐ傍にあるのに・・・。

それを活用することもなく

わざわざ燃料費をかけて、遠い外国から木材を購入している。

森林大国日本が、国内の木材を利用せず海外からの輸入に頼っている

こうした現状は極めて異常だと思いませんか?。

私達、工務店に出来る事があります。

まずは、国産木材の利用を増やしましょう。

国内林業の活性化のお手伝いになる筈です。

木造住宅の良さを発信しましょう。

世界的には、木材需要が増加しています。

地球温暖化防止に貢献する資源として、環境にやさしい木材に転換する流れも生じています。

従来の低層建築物だけでなく、中層建築物の建築も増えているようですよ。

高層建築物の内装を木質化するのも効果的です。

 

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