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今日はアセットフォーの定休日。
『地球環境に優しい家づくり』
について、少しだけ書きたいと思います。
地球温暖化を防ぐために、CO2排出量の削減に各国が取り組むことが決まりました。
パリ協定で我が国が約束したのは、2013年当時のCO2排出量から25%(3億800万トン)の削減です。
平成24年度の森林蓄積量をご存知でしょうか?
約49億㎥にもなるそうです。
上記の蓄積量変化を見ると、年間1億㎥も増加していることがわかります。
つまり国内の樹木が年輪を1つ増やすことで、合計1億㎥もの森林蓄積が増えるということです。
樹木はCO2を吸収し固定する事で有名です。
年間1億㎥の木材蓄積量をCO2に換算すると約7300万トンになるそうですから、約束した削減量の1/4は森林対策で賄えることになります。
でも森林のCO2排出削減への貢献は、若いうちだけなんですよね。
樹齢を重ねた森林は、CO2吸収量が少なくなります。
だから定期的に伐採する必要があります。
ただ伐採すれば良いという訳ではありません。
薪にして燃やしたり、そのまま廃棄すればCO2は大気中に還ってしまいます。
出来るだけ長期間使うものに利用するのが有効なんです。
つまり木造住宅を建て、長い時間使い続ける・・・。
せめて木材が育ってきた40~60年は使い続けたいですよね。
炭素を蓄えた『第2の森林』と言われる木造住宅ですが、実際にはどの位の炭素が蓄積されていると思いますか?
一般的な住宅ではおよそ23.7㎥の木材が使われているそうです。
量として最も多いのは、梁などの横架材です。
全体の35%に当たるようですね。
次いで、柱などの垂直材。17.3%に当たります。
その他、土台・小屋組などの構造体を合わせて65%程度(約15㎥)となります。
これらは家が建っている間は残されます。
残りの間柱や根太などの量は、35%(8.7㎥)となります。
23.7㎥の木材が仮に檜材であったとしましょう。
檜の比重は0.4ですから重量は23.7×0.4=9.48トンとなります。
そのうちの半分が炭素となります。
9.48÷2=4.74トン
この炭素量からCO2の量を算出すると
4.74×(44/12)=17.38トン
となります。
この量は1ヘクタールの水田が1年間に吸収するCO2に匹敵するそうです。
木造住宅を建て、長持ちさせる。
そのために樹木を伐採し、新しい樹木を植える。
こうしたサイクルを続けることで、CO2の排出抑制を行うことができます。
でも木材を製材する過程や運搬することでCO2が排出されてしまいます。
アルミや鋼材・コンクリートも同様です。
同じ木材であっても、天然乾燥材と人口乾燥材ではその量に大きな差があるんですよね。
それでも木質系素材とその他の素材の差は、かなり大きくなっています。
工法別に製造時の炭素排出量を比較してみると、こんな感じになります。
木造住宅の環境貢献度がどれだけ大きいかお分かり頂けると思います。
太陽光発電を沢山屋根の上に乗せ、電気の使用を削減した『ゼロエネルギー住宅』を建てるのは良いことだと思います。
でも、太陽光発電用パネルの製造時のCO2排出量を見逃すことはできません。
工法の選択・外皮性能の強化・地域に合ったパッシブ設計等を充分に検討し、設備による省エネ化はあくまでも補助と考えるべきではないでしょうか。
特定の企業の取組を非難する気持ちはありませんが、もっと大切な部分のことをわかっていただきたくて・・・。
こんなことを書いてみました。
posted by Hoppy Red
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