最低基準?

2020年をもって、現行の省エネ基準(H28改正省エネ基準)は努力目標から守るべき基準に変わります。

現行の省エネ基準を守った家って、どのくらい暖かいと思いますか?

このグラフは盛岡市における無暖房トイレの室温を各省エネルギー基準ごとに計測したものです。

1月25日の朝7時を見ると、⑤の外気温は4℃。

②の次世代省エネ基準(現行基準と同等)では11℃くらいになっています。

省エネ基準の外皮性能は『健康を維持する最低限の性能』という意味から生まれたそうです。

その温度は10℃。

普段暖房しない部屋やトイレが10℃を下回らないということで、日中日差しを浴びている南向きの部屋は20℃以上になることもあるでしょう。

暖房すれば20℃を超えることだってありますが、非暖房室やトイレは20℃になりません。

そんな状況で、朝方10℃以下にならない断熱性能の目安が省エネ基準だとすれば、全ての家は省エネ基準を超える断熱性能を持たなければなりません。

省エネ基準を「健康を守る最低のレベル」と位置づけたからといって「これで断熱は充分だ。」という訳ではないと思うんです。

むしろ「これ以下の家をつくってはいけません。」というだけなんです。

次のイラストを見ていただければ、その理由がわかります。

イギリスの住宅に関する指針によれば『室温18℃未満』は健康リスクが高まるそうです。

ご家族の健康を守るためには、きちんとした断熱・気密施工を行い室内を暖かく保つことが絶対条件です。

でも、この健康温度が難しい・・・。

例えば推奨温度は21℃となっています。

「寝室はもう少し寒くても良い気がする。」

「布団掛けるしね。」

なんて方も多いのではないでしょうか?

確かに布団の中の温度は28~33℃になっているようですね。

仮に室温が15℃だとしたら、その温度差は13~18℃にもなってしまいます。

寒い日は、布団から出るのに勇気がいるかもしれません。

呼吸をすれば、肺の中に冷たい空気も入ってしまいます。

16℃以下では呼吸器系疾患になる恐れが高まります。

基準の10℃に至っては、血圧が上昇し心臓・血管疾患リスクが高まるレベル。

これでは何の意味もありませんよね。

では快適という観点からみるとどうでしょうか。

冬は全館連続暖房で室温20℃以上。

夏は全館連続暖房で室温28℃以下かつ相対湿度60%以下というところでしょう。

『無断熱で低気密』な住宅でも構いません。

電気や燃料をガンガン使い、冷暖房を効かせればいいんです。

光熱費が惜しいのであれば、太陽光発電を沢山搭載しましょう。

でも定期的なメンテナンスが必要になりますし、維持費も結構かかりますよ。

10年経てば買い取り価格は激減するはず・・・。

それが気になるのであれば、『高気密・高断熱』な住宅をご検討ください。

日射取得・日射遮蔽・採風・蓄熱等のパッシブ設計を上手に採り入れるのも良いと思います。

『HEAT20』という民間団体が提唱する断熱水準『G2グレード』を目安にするのも良いでしょう。

このグレードであれば無暖房室の最低温度は15℃位まで上昇します。

少しの暖房で健康・快適温度にする事が可能です。

弊社の家はG2相当、換気設備も超省エネタイプを採用しています。

健康で快適、おまけに省エネです。

断熱基準、最低基準のままで良いのでしょうか?

 

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