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高断熱住宅の床が冷たい筈ありません。
床板の下に断熱材を敷き詰める『床断熱』であっても
基礎の内外に断熱材を貼りつける『基礎断熱』であっても・・・。
省エネ基準相当の断熱性能であれば、寒い冬も快適に暮らせるのではないでしょうか。
床板はポカポカと暖かく、快適でしょう。
では、玄関土間はどうですか?
弊社では玄関土間の下に高性能ウレタン断熱材を貼りつけています。
わかりやすく、銀色の断熱材を使っています。
繋ぎ目にはアルミ気密テープを張り、気密処理もバッチリ行ないます。
その上に砕石を転圧し
コンクリートを打設します。
仕上げは大抵、磁器タイルですね。
仕上がってしまえば、断熱施工の有無はわかりません。
「地面の温度は一年を通じて暖かいんだから、問題ないんじゃない?」
なんて言う方もいるのではないでしょうか。
残念でした。
地面の温度が安定しているのは、ある程度の深度がある場合の話です。
地表付近の温度は、ほぼ気温と変わりありません。
やっぱり、断熱施工は必要だと思いますよ。
きちんと断熱施工を行っても、木の床に比べれば冷たく感じます。
『熱浸透率』という接触温冷感の指標をご存知でしょうか?
「物が他の物と接触しているときに熱を奪い取る力」を意味します。
たとえば寒い日に金属を触ったときに冷たく感じるのは、熱浸透率の大きな金属に熱を奪われるから。
一方、木製品やプラスチック製品を触っても金属ほど冷たく感じないのは、木やプラスチックの熱浸透率が金属よりも小さいからです。
熱浸透率の高いものほど、手で触れた時に冷たく感じます。
コンクリートは木材の5倍、鋼材は木材の50倍くらいヒヤッとすることになるそうです。
土間の上を冬の寒い時期に裸足で歩くのは、止めた方がいいかもしれませんね。
ここで興味深い資料をご紹介します。
床材による足の甲の温度変化を測定した結果です。
水色のグラフを見ると、木材もコンクリートも殆ど変わらないことがわかります。
でも、水色のグラフは結構違います。
室温が高ければ、木材もコンクリートも皮膚温度の低下はあまり変わらないということです。
暖房の効いた部屋であれば、足元の冷えはあまり感じないという訳です。
パッシブ設計の本を読むと、『土間床が蓄熱する。』と書かれています。
室温が高い時にはコンクリートがその熱を蓄え、低くなったら蓄えた熱を放出する。
室温の変化が緩やかになって、快適性が向上すると言うんです。
でも暖かい空気は上昇するので、窓からの強烈なダイレクトゲインが得られない限り、土間床がポカポカするほど蓄熱することはありません。
断熱材で保護されたコンクリートは室内の熱を蓄え、外に熱を逃がさず、内側に放出していくので、氷のように冷たくなることもありません。
居室の床を土間床にする人も増えているようですが、採用の際にはこの辺りの事も踏まえた方が良いと思います。
ちなみに我が家のトイレの床は磁器タイル仕上げ。
厚さ105mmの高性能断熱材の上に40mmの合板を敷き、その上にタイルを貼っています。
厚いコンクリートに比べれば微々たるものですが、多少の蓄熱はするようです。
床の表面温度が足裏温度よりも低ければ、熱の移動が起こります。
当然冷たく感じるんですが、すぐに慣れてしまいます。
だから、冬季に裸足で歩いても問題ありません。
陽射しなんて当たりません。
当然無暖房です。
空気の熱をそれなりに蓄えているのでしょうか。
玄関土間とトイレは同じタイルを貼っています。
そして玄関土間の下には、200mmの高性能断熱材を敷いています。
こちらもトイレ同様、裸足で歩ける程度の床温度を確保出来ています。
床断熱でも基礎断熱でも
断熱・気密施工をしっかりとしていれば、快適性は確保出来るということでしょうか。
やっぱり
快適性を追求するならば
土間床の断熱・気密もしっかりした方が良いですよ。
と言う話でした。
posted by Asset Red
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