住宅の2020年問題

2013年に住宅の省エネルギー基準が改正され、2020年にこの基準(H25省エネ基準)が義務化されます。

あと3年もありません。

その時、どんな事が起きるのやら・・・。

既存不適格建物と言う言葉があります。

建築基準法に適合していない既存建物を言います。

「現行の法律には適合していないけれど、取り敢えず今のまま住み続ける事は認めましょう。」

「建替える時には、法律を守ってね。」

いわば、お目こぼしをいただいている建物です。

建蔽率や容積率のオーバー

道路斜線・北側斜線の抵触

防火構造・準耐火構造・耐火構造の不適格

耐震基準の不適格、等々。

色々な原因がありますが、場合によっては接道義務違反で建替え不可なんてこともあり得ます。

こうした建物は、売買の場合に著しく価値を下げる場合があるのをご存知でしょうか?

2020年以降は、省エネ基準に満たない建物の扱いも同様となります。

残念ながら、現在のストックに占める基準住宅の割合はわずか6%に過ぎないといわれています。

既存不適格建物の資産価値ってどうなの?

ここが家を買う人間からすると重要な問題ではないかと思います。

ストレートに言えば、既存不適格建物は住宅ローンがつきにくい場合が多くなります。

なぜなら、現行法に照らし合わせると違法となる家に対して銀行はお金を貸すのを嫌がるからです。

とはいえ、絶対に貸さない訳でもありません。

でも万が一返済が滞った際に競売しにくい為、敬遠気味。

「いやー、この物件にはお金貸せませんかね。」

なんて言われて、結局かなりの貸出額を低く抑えられるのがオチです。

「既存不適格な家」はファイナンス的理由で市場から退場させられてしまいます。

つまり、資産価値が一気に下がる。

あくまでも、可能性の話です。

住宅の優良ストックを増やしたい国では、不動産売買の際に不適格部分の改修費用を予め売主に負担してもらう案・販売価格にその分を上乗せし、改修後の家を販売する案を検討しているとか・・・。

既に、省エネ住宅とそうでない住宅の販売価格に大きな差をつけ始める不動産ネットワークも出始めたようですよ。

新築をお考えの皆さんは、せめて基準未満の家を建てることの無いようにお気を付け下さい。

でも、省エネ基準の性能が向上してしまえば

せっかくの基準住宅も既存不的確建物になってしまいます。(事実、省エネ基準は既にH28基準に改正されています。)

少しでも、高い性能を求めるべきだと思います。

当然コストは増大しますが、光熱費の削減等で毎年少しずつ取り返すことが可能です。

こうした住宅は優遇制度を利用することも可能です。

例えば

住宅取得資金の贈与非課税の特例・・・一般 810万円/省エネ 1310万円

住宅ローン減税・・・一般 400万円/省エネ 500万円

長期優良住宅・認定低炭素住宅の特別税額控除(投資型)・・・最大65万円

登録免許税の軽減措置・・・

所有権保存登記 一般 0.15%/省エネ 0.10%

所有権移転登記 一般 0.30%/省エネ 0.20%

ローン抵当権設定登記 一般 0.10%/省エネ 0.10%

不動産取得税の軽減措置・・・一般 1200万円控除/省エネ 1300万円控除

固定資産税・都市計画税の軽減措置・・・一般 当初3年50%/省エネ 当初5年50%

フラット35S・・・金利優遇▲0.3%(当初10年間と5年間の2プランあり)

その他、各種補助金の利用も可能です。

 

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posted by Asset Red

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