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今日の練馬・板橋は快晴です。
暑くて仕方ありません。
『FPの家 T邸』
外皮の断熱施工を行っている最中ではありますが、日射遮蔽と高性能断熱パネルのお蔭なのか
大工さんは涼しく作業を進めています。
朝一番、FP床パネルが納品されました。
壁パネルと同様に4辺ともに木枠が回っています。
そして真ん中には根太も入っています。
壁パネルは30×105のサイズの木材が使われていますが、床パネルの場合は88×38のサイズの木材が使われています。
そして壁パネルと一番違うのは、表面に厚さ12mmの構造用合板が貼られていること。
お蔭で、少し重いんです。
大引きおよび土台の上に厚さ100mmの床パネルを載せていきます。
外周部に予めパネル受けを取付け、防蟻処理も済ませておきます。
床下の清掃と床パネルの裏側と木口に防蟻処理する事も忘れてはなりません。
パネルは長いビスで土台および大引きに固定します。
パネル同志もビスを斜め打ちして一体化する事で、床版の剛性も高まります。
木枠がついた断熱パネルだからこそ出来る耐震施工です。
アルミテープによる防湿・気密施工も、始まりました。
そう言えば、昨日のセミナーで近大の岩前教授がしきりに言っていましたね。
「ごちゃ混ぜに覚えている人もいるようですが、防湿と気密は違います。」
気密の対象は空気の出入りを防ぐこと。
そして防湿の対象は水蒸気の出入りを防ぐこと。
その目的もやはり異なります。
上のイラストにあるように、水蒸気の大きさは空気よりも小さいんです。
水蒸気の出入りを防げば同時に空気の出入りも防ぐことが出来るので、単に気密施工と呼んではいますが、本来は防湿と気密は分けて考える必要があるそうです。
空気の出入りは合板や石膏ボードで止める事が可能です。
でも水蒸気の出入りを止める事は出来ません。
近頃は合板や石膏ボードを利用した『ボード気密』を採用する施工者が増えているようですが、躯体内に水蒸気が侵入する事を防いでくれる訳ではないんです。
当然、防湿シートの施工が必須となります。
断熱層の基本構成を示した図です。
よく目にしますよね。
外側から順に
通気層・・・初期含水と壁内に侵入した雨水・水蒸気を排出する。
防風層・・・冷気の断熱材への侵入を防ぐ。
断熱層・・・熱損失を防ぐ。
防湿層・・・壁内への水蒸気の侵入を防ぐ
という構成になっています。
でもこれって、建物外の水蒸気が建物内の水蒸気よりも少ないのが前提になっています。
夏のように建物の外の方が水蒸気が多い場合は、外の水蒸気が壁内に侵入することだってあるんです。
『夏型結露』と言いますが、以前は大した量ではないので問題ないと判断されていたそうです。
外から侵入した水蒸気が断熱材の内側に設けられた防湿シートで排出される事なく断熱材の中に留まる。
留まった水蒸気は断熱材の性能を低下させると共にカビる可能性を高めます。
現在では、こうした夏型結露も問題視されるようになったようですね。
従来の防湿シートに替わる新しいシートも製品化されています。
こうしたシートを採用すれば気密はしっかりと確保しながら、夏は透湿性、冬は防湿性を確保する事で一年中乾燥状態を維持することが可能になります。
欧米では、水蒸気対策もきちんと整備されていて、誰でもきちんと対応しているそうです。
でも日本では、現在も充分な対策が採られていません。
それどころか、大多数の施工者がこの事を知らない・・・。
内部結露の被害が拡大するのは当たり前ですよね。
断熱性能の向上を図れば図るほど被害は増えると思います。
以前に、高名な建築関係者が公の席で
「日本は断熱後進国だ。」
と仰っていました。
防湿・気密に関しても後進国ですよね。
硬質ウレタンフォームのように、吸湿性の低い断熱材を使えば話は別です。
そもそも断熱材が水蒸気を吸わなければ、カビる事もありません。
夏であれ冬であれ、断熱材は乾燥状態を保つことが出来ます。
断熱材の継手や断熱材と躯体部分にアルミテープを貼るだけで防湿・気密層の確保が可能です。
施工中の雨や湿気で断熱材を濡らしても大丈夫。
壁の中の湿度が高くなる事もありません。
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