断熱材が濡れると・・・

先日のセミナー資料から抜粋させていただきました。

米国デュポン社で『建物の水蒸気問題』に関して一番詳しい方

ウエストン・テレサ博士の話です。

当日の講演は全て英語でした。

残念ながら同時通訳ではなく、ある程度話したら隣にいる通訳の方が話す。

こんな感じの60分でした。英語がわかればいいのに・・・。

まずは、このデーターを見てください。

乾燥した断熱材と湿った断熱材の断熱性能を示しています。

乾燥した断熱材の断熱性能を100%とすると、湿った断熱材の断熱性能はおよそ40%といったところでしょうか。

一般的に断熱材は厚くなるほど、断熱性能が向上するもの。

でも上のデーターを見る限り、濡れてしまえば厚さは関係ないんですね。

とにかく、断熱材は濡らさない事が重要です。(繊維系断熱材の話です。)

雨漏りはもちろん、内部結露を防がなければ折角の断熱材も意味がありません。

続いてこのデーターです。

防風・気密施工の有無と断熱性能を示しています。

防風・気密施工を行った場合を100%とすると、行わなかった場合の断熱性能は随分と低下しています。

繊維系の断熱材は、繊維の中の動かない空気によって断熱性能を保っています。

漏気を含む風の影響は非常に大きくなります。

 

漏気が及ぼす暖房・冷房・換気エネルギーは最大40%にも及ぶそうです。

ですから、アメリカでは2012年と2015年の省エネ基準で『気密測定』が必要要件になっているんです。

平成11年の次世代省エネ基準以降、いつの間にか気密の規定が無くなってしまい、気密測定を行っている住宅はごく一部という日本の現状とは大違いですよね。

 

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