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お恥ずかしい話です。
シロアリ防除工事の保証に関して、勘違いをしていました。
シロアリ防除工事を行った場合の保証期間は、施工から5年が一般的です。
これは多くの合成殺虫剤の効果の持続期間を根拠とするものであり、第3者保険の保証期間も5年となっています。
保証期間の間に、防除工事を行った建物にヤマトシロアリもしくはイエシロアリが発生した場合は保証金額の範囲内で再施工を行う。
もしも建物に被害があれば、保証金額の範囲内でその補修費用を賠償する。
「アメリカカンザイシロアリは保証対象から外れているんだね。」
「でもヤマトシロアリだけではなく、イエシロアリも保険対象になっているんだから安心だね。」
なんて安心しきっていたんです。
でも詳しく話を聞いてみると、どうも違うようですね。
防除工事を行った建物にシロアリが発生した場合、シロアリによる被害とその侵入口および侵入経路を調査するそうです。
通常であれば関東地域の場合、土台・大引き・土台火打ちと土台天端から1.0m以下の柱・間柱・筋違(建物の外側のみの場合と内部を含む全ての2パターンあるそうです。)に防除工事を行います。
この部位にシロアリの侵入口や経路・被害があれば当然保証の対象となりますが、例えば隣の木から2階の壁の穴を通って1階の柱を食害した場合は保険の対象から外れてしまうんです。
雨漏りが原因で腐朽菌が繁殖し、シロアリを招くなんてケースも良く聞きます。
これも保証対象にはなりません。
不思議だったんですよね。
関東で一般的なシロアリはヤマトシロアリです。イエシロアリの被害はそれほど多くはありません。
でもゼロではないんです。
ヤマトシロアリは水を運ぶ能力を持たないため、水場から離れた場所には被害がありません。
土台天端から1.0m以下の木部に防除工事を施せば、食害の危険を回避することができます。
雨漏りや内部結露など、水分供給が無ければの話ですが・・・。
でもイエシロアリは水を運ぶ能力を持っているため、屋根の先や2階天井でも被害が出ているんです。
「イエシロアリも保険対象に入っているのに、何で土台天端から1.0m以下しか防除工事をしないんだろう?」
「保証してくれるからいいんだけど・・・。」
イエシアリが地面から侵入すれば保証対象ですが、2階から侵入したら保証対象外。
土台を食べたら保証対象ですが、根太や床合板を食べたら対象外。
なんかおかしくありませんか?
ヤマトシロアリ・イエシロアリを問わず、食害の心配もなく安心して暮らせるようにする為には、防除工事の範囲を広げた方が良さそうですね。
せめて1階部分の根太や合板を含む全構造。
可能であれば、2階部分の全構造も行いたいところです。
基礎断熱工法を採用するのであれば、断熱材は防蟻処理を施した製品を使うべきだと思います。
床断熱工法の場合は、基礎部分は建物外と同じ扱いとなります。
基礎パッキン工法を採用しているので床下空間は、シロアリの生育しにくい空間になっています。
安心はしていますが、念には念をいれたい方はこんな防除もあります。
基礎の打継ぎ部分や配管廻りに防蟻剤の入ったシーリングを施工したり
粒の大きなガラス素材を敷き込んだり。
シロアリが齧れない物、大きくて運べない物を詰めることで侵入口を無くす作戦です。
建物の廻りの土壌処理を行うのも良いですよね。
建物の廻りに住むシロアリを事前に排除する作戦です。
もちろん、合成殺虫剤はNGです。ホウ酸処理に限ります。
だって蒸発した薬剤を吸ってしまえば薬害の恐れもありますから・・・。
なんだか心配になる話ばかりしちゃいまいました。
でも、ご安心ください。
弊社の建てた建物では、現在まで1件たりともシロアリの被害にあっていません。
それでも、心配だと言う方の為に書いてみました。
posted by Asset Red
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