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今日はアセットフォーの定休日。
いつもより、少しだけ固い話を書きたいと思います。
色々な方々の話をまとめると、今後の木造住宅に求められる性能(要求性能)を3つに絞ると以下のようになるようです。
1.耐震性
2.耐久性(耐朽性)
3.防火性
すでに、省エネ・環境性能は『あって当たり前』の段階に来ているようですね。
そのレベルの差こそあれ・・・。
これを意識しない家づくりは、もはや家では無い。
という事みたいです。
耐震性は良くわかりますよね。
耐震等級3を目指し制振装置を装着し、大震災時の倒壊・半壊を免れるような家づくりを行う。
地震の際に倒壊して、道路を塞ぎ、救護・災害活動の妨げにならないようにすることも重要です。
防火性も理解できるでしょう。
火事に強い家づくりは、都市近郊においては絶対条件です。
それでは耐久性(耐朽性)はどうでしょうか?
結露・雨漏り・工事中の雨対策・使用する木材の含水率等による、木材中の水分に起因する腐朽の無い家づくりを言います。
もちろん、ダニ・カビ・シロアリやキクイムシなどによる被害を受けない事も重要です。
せっかく耐震性の高い家を作っても、構造材が腐っていたりシロアリの食害があれば意味がありません。
こんな環境では、鉄骨も錆びてしまいます。
先日の『ホウ酸処理勉強会』のヒトコマです。
およそ18600件中5300件あまりの家で腐れ・シロアリ・カビなどの劣化が発生しているそうです。
全体の28.6%に当たります。
このうち、シロアリの被害にあった家はおよそ25%。
これって、多いのか少ないのか・・・。
使えなくなって壊した住宅の年代別平均築年数を、日本・米国・英国で比較したデーターです。
見えないと思います。
こんな感じになっています。
算定期間/各国の平均築後年数を日本/米国/英国の順に書いています。
1993~1998/31/44/75
1998~2003/30/55/77
2003~2008/27/67/81
2008~2013/32/67/81
3つの国を比べると、やっぱり日本の住宅って寿命が短いですよね。
でも、それだけではありません。
1993年から2013年の間の築後年数の変化を見てみると
日本は、ほぼ31年と変わっていません。(何の進歩もしていません。)
米国は、44年から67年と寿命が23年も延びています。
英国に至っては、55年から81年と寿命が26年も延びているんです。
日本以外の国は、何らかの対策を行ったと思われます。
こんなデーターがあります。
日本・アメリカ・スゥエーデンの住宅寿命と国民一人当たりの木材保存処理量の比較をしたものとなります。
日本は30年、使用量を1とします。
アメリカは84年、使用料は16.
スゥエーデンに至っては、95年、使用量は17にもなっています。
どうやら、木材保存処理の違いが住宅の寿命に大きく関係しているようですね。
このデーターを見る限り、木材保存処理量が多い程住宅の寿命は長くなる。
つまり木材腐朽菌の繁殖による腐れや、シロアリ等の食害を防ぐには、薬剤による防蟻・防腐処理が必要であり、その使用量により住宅の寿命は大きく左右すると言う事になります。
でも環境や人体に対する影響を考えた時、合成殺虫剤(ネオニコチノイド・ピレステロイドなど)を現在の16~17倍も使うのは怖い気がする・・・。
そこで登場するのが『ホウ酸』です。
ホウ酸は自然素材です。
昔から目薬に使われています。
多くの野菜に含まれていて、毎日微量のコレを人間は口にしています。
ゴキブリに効く『ホウ酸団子』を思い出す方も多いとは思います。
でも哺乳動物には安全で、それ以外の動物・昆虫には厳しく作用するのがホウ酸の特徴なんです。
ホウ酸は空気を汚しません。
無機物であり揮発する事もありませんから、効果が長持ちします。
既に欧米では、合成殺虫剤の使用は禁止されているようですね。
でも、日本におけるホウ酸のシェアはわずか2%に過ぎません。
残りの98%は合成殺虫剤なんです。
最大5年で効果が無くなります。
ホウ酸と違い、虫側に耐性が出来る事もわかっています。
仮に100年効果が長続きする合成殺虫剤を作ったとしても、シロアリが耐性を持ってしまえばそれ以降は効果が無くなる訳です。
平成23年9月にホウ酸は木材保存処理剤として認定されました。
それから約5年。
少しずつ、実績は増えているようです。
ホウ酸による全構造処理を行って、欧米の住宅並みに耐久性の高い家づくりを行いたいものです。
posted by Hoppy Red
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