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建築職人が活躍できるようになるまでは、それなりに鍛錬機期間が必要です。
思い立って急に職人になれるものでもありません。
さらに技能だけではなく、日々使う道具なども自ら揃え、調整しておかなければなりません。
職人には日頃の研鑽と努力が欠かせないんです。
昨今になって、日本の経済全体で人材不足に悩まされるようになってきました。
相応の鍛錬機関と匠の技を必要とする建築業界では、さらに深刻です。
その上、格差社会を象徴するように職人の仕事が下請けとして叩かれると、後継者も育たず、人材も本当にいなくなってしまいます。
建設業における2025年までの職人不足は40%にも及ぶとか・・・。
人材不足を原因に、既に労務費が高騰している一部職種もあるようです。
家を建てるための建築資材があっても、それを組み上げる職人の手がなければ形にはなりません。
この手間賃は労務費として計上され、住宅価格の大きな要素となります。
家の価格は材料費と労務費、そして諸経費で決まります。
それは大手ハウスメーカーであっても、ローコスト住宅会社であっても変わりありません。
わかりやすいのが材料費です。
安い建材を使えばコストが抑えられます。
量産品として生産されているものを選んだり、大量に買い付けたりすることで材料費を抑えます。
大手メーカーもローコストメーカーも材料を抑えることに長けています。
ただし安易に材料費を下げれば安普請になってしまいます。
同じように労務費に対して厳しいコスト削減を行いますが、そのために腕の立つ職人を必要とする工事が避けられてきたのは残念な限りです。
例えば左官職人に頼むよりもビニールクロスなどの内装職人に。
大工による造作仕事よりも組立仕事に。
乾式化・ユニット化することでローコストを実現します。
その意味ではプレハブなどの工業化住宅もローコスト住宅も、職人の技術を使わないで、組み立てるだけの住宅と言えるかもしれません。
職人の代わりに組立工を育成し、諸経費を削減する努力も必要です。
しかし結果的には職人の手間賃を叩いてコストを下げることになっている企業も多いんです。
でも現場までの交通費、例えばガソリン代や車の維持費を下げることは出来ません。
釘代や接着剤などの職人持ちの材料費だって減らすことは難しい。
やみくもにコストカットを行えば、作業内容を変えるしかありません。
釘を3本打つところを2本で済ませる。
釘と接着剤の併用するところを釘だけで済ませる。
一歩間違えば手抜き工事・欠陥工事になる可能性だってあります。
一人で10件も監理している現場監督もいると聞きます。
現場まで1時間から1時間半も掛けて現場に向かう場合もあるとか・・・。
こんな状況で、しっかりとした監理を望むのは難しいかも・・・。
それにも関わらず大手メーカーの価格が高くなるのは、結果的に経費の違いということになるでしょう。
広告宣伝費・大勢の販売員経費・たくさんあるモデルハウス運営費。
社員一人当たりの生産性が低いのも、その理由のひとつです。
でも住宅価格に含まれる、こうした余分な経費はあなたの資産にはなりません。
家の価値とは別なんです。
どうせお金をかけるなら、家の価値に直結する部分にかけるべきだと思います。
職人の働きに敬意を示しましょう。
地域に密着した工務店では、地域の数々の職人との連携を大切にしています。
そうでなければ、その地域の仕事を続けることは出来ません。
そして腕の立つ良い職人を多く抱えていることは、工務店の自慢になります。
だからこそ、お客様のご要望に合わせて、現場で細やかに対応することも可能です。
職人を大切にして、その働きを自慢する工務店が家づくりの際に本当に頼りになると思います。
大手ハウスメーカーやローコストメーカーが生き残っていくためには、こうした工務店を下請けにするしかありません。
下請け経費も必要です。その分コストは高くなります。
現場と設計、設計と営業、営業と消費者。
その接点で連絡ミスも発生するでしょう。
スピーディーな対応も難しくなります。
出来上がった家の本当の価値をご判断ください。
安かろう悪かろうも困りますが
「高い割にはたいした事無いね。」
も困ります。
posted by Asset Red
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