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今日はアセットフォーの定休日。
先日参加したセミナーで学んだ事を少しだけ書きたいと思います。
私達がこよなく愛する木材ですが、多くの生物にとっては栄養価値が無い建材なんだそうです。
セルロースを消化・吸収できる生物は少ないんですって・・・。
そんな木材中のセルロースを栄養としうる、数少ない生物を『木材劣化生物』と言うそうです。
木材は、以下の5つの条件が揃わなければ腐りません。
①木材腐朽菌の胞子
②栄養源
③水分
④温度
⑤酸素
でも、②④⑤の条件は常に揃っているようなものです。
要するに、木材は濡れっ放しにしておけば腐る訳です。
つまり、腐らせない為には
①濡らさない
②木材腐朽菌を殺す
どちらかを選択するしかありません。
木材腐朽菌の分類・種類は上表の通りです。
木材が腐るという事は、木材腐朽菌が木材を分解するという事です。
つまり、カワラタケ・オオウズラタケ・ナミダダケ等のキノコ類による生物劣化を言います。
続いて昆虫による食害です。
シロアリと、その他食材性甲虫に分類されるそうです。
まずは、シロアリについての説明です。
シロアリは不完全変態昆虫に分類されます。
アゲハチョウのように、
たまご→幼虫→さなぎ→成虫という変態のしかたをするものを
完全変態と言います。
また何回も脱皮をして成長し、体の中で羽根ができあがると、最後の脱皮をして親になる昆虫もいます。
このように、さなぎの時代を通らないで子虫からすぐ親虫になる変態を不完全変態と言います。
シロアリはハチのように集団を作り、その中に女王や働き蜂のような階層がある生活をしているなど、人間のそれに似た社会的構造を備える虫を真社会性昆虫と言います。
(この集団、実際には家族集団であり、内容的には人間の社会とは大きく異なります。)
この辺りの性質を利用してシロアリ対策を行う訳ですが、今回は割愛します。
冬眠を行えません。
つまり冬の間も暖かい所を見付けて、そこで活動を続けている訳です。
お腹の中の原生生物と共生しています。
この生物のお蔭で、木材中のセルロースを分解・吸収し栄養源にすることが出来るそうです。
その数はなんと、24京匹。
天敵はクロアリなんだそうです。
ここでシロアリとクロアリの比較をしてみましょう。
シロアリには大きく2つのタイプがあるそうです。
地下シロアリと乾材シロアリです。
ヤマトシロアリ・イエシロアリなどの地下シロアリは、主に湿った木材を食害します。
また、近頃話題のアメリカカンザイシロアリは乾燥材を食害します。
まずは、地下シロアリの話から・・・。
どちらのシロアリも土壌から働き蟻が侵入します。
進入路は蟻道と呼ばれているのをご存知でしょうか?
糞や体液と土を混ぜて作られたトンネルです。
ヤマトシロアリは日本だけにいる特定種、イエシロアリは熱帯地域に多くいる種となります。
前者は寒い地域でも活動しますが、後者はなかなか北上することができません。
でも温暖化が進めば、どうなることやら・・・。
羽蟻は、こんな姿をしています。
どちらも、湿った木材を好みます。
侵入経路は概ね床下です。
そして、いよいよ乾材シロアリの出番です。
当初は、沖縄や奄美大島などの島嶼地のみで活動していましたが、現在は全国に点在し始めています。
江戸川区小岩・中野区若宮・横浜市鶴見区あたりがホットスポットになっているようですね。
寒さに弱いシロアリですが、住まいの高断熱化とともにドンドン北上しています。
羽蟻はこんな姿をしています。
こんな糞が落ちていたら、要注意です。
1mm程度のごま粒に似ています。
見付けたら、すぐに専門家に連絡を取った方が良いでしょう。
畳みや家具の裏側に、こんな穴や筋が出来ていたら間違いなく食害されています。
乾燥したヒノキが大好きです。
辺材ばかりか、芯材も平気で食べてしまいます。
従来のシロアリ対策がまるで通用しません。
怖い・・・。
最後は、食材性甲虫です。
ヒラタキクイムシ(いわゆるラワンムシ)が有名です。
広葉樹や竹を好んで食べます。
針葉樹を食べる事は出来ません。
最近はあまり見なくなりましたね。
木材を劣化させる生物について、ざっと書いてみました。
これらによる被害を発見したら、すぐにご連絡ください。
すぐに対策を打たなければなりません。
今が発見するチャンスかもしれません。
posted by Hoppy Red
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