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今日の練馬・板橋も暑いですよー。
雨が降らないことを祈りつつ、大工・職人一同汗タラタラで頑張っています。
『FPの家 T邸』
先日の中間検査および瑕疵保険の躯体検査の際に、事前に行った自主検査の事を書きたいと思います。
筋違いの配置および接合金物と接合具のチェックをしていると、『節』が気になりました。
節とは、立木の時の枝の部分が材木になった時に枝の断面が丸い形になって出てくる物を言います。
桧や杉・松などの針葉樹類は、その性質上『節』のある材が多くなります。
もちろん節のない材も採れますが、無節材は値段も高くなるし、木材の有効活用という点からも積極的には使ってはいません。
そんな節あり材を利用する場合に注意する言葉が3つあります。
それは
生節(いきぶし)
死節(しにぶし)
抜け節(ぬけぶし)
です。
生きるとか死ぬとか、物騒な話ではありますが、良く使う言葉なんですよね。
先ずは生節。
これは普通に想像する節の状態。
まん丸い枝が材面に顔を出している状態をいいます。
写真は筋違に使っている、米松の生節です。
生節でも乾燥によって割れは出てきます。
生節の部分を切ってみると、節が木材内部を通っている様子を見ることが出来ます。
死節は木質部分から節が離脱してしまっているので、写真のように黒く枯れたようになっています。
そして抜け節です。
木質部から離脱した死節が材が、抜けてしまう状態を言います。
写真では、わかりにくいかも知れませんね。
筋違として、生節材を使うことは問題ありません。
でも、死節や抜け節を使う事は出来ません。
写真の筋違いは明らかな抜け節でした。
大工さんに指示を出し、死節・抜け節の無い筋違いへの交換を行ってもらいました。
建築基準法施行令 第41条に
構造耐力上主要な部分に使用する木材の品質は、節、腐れ、繊維の傾斜、丸身等による耐力上の欠点がないものでなければならない。
とあります。
死節や抜け節は、地震時の圧縮座屈で折れやすいようですね。
躯体の耐震性を確保するために設けた筋違いです。
いざという時に、きちんと効いてくれないと困りますよね。
その為の自主検査であり、確認検査会社や瑕疵保険会社の検査員による各種検査がある訳です。
でも、筋違いがこのまま強度を発揮し続けてくれるかどうかはわかりません。
もしも内部結露が発生し、木材腐朽菌やシロアリが繁殖したら・・・。
柱や筋違い・土台などに食害があったら、本来の強度を期待することはできないんです。
残念ながら、内部結露を招く『気密・防湿施工』の良し悪しを現場において確認する検査は義務付けされていません。
不具合があったとしても、そのまま施工されている事が多々あると思われます。
その前に、正しい施工を知らない方々もいるでしょう。
これらを是正する体制をつくる必要があるのではないでしょうか。
posted by Asset Red
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