閑話休題

人間に湿度を感じるセンサーは備わっていません。

「今日は湿気が多いなぁー。」

とか

「ジメジメして湿度高いよね。」

この季節になると、私自身そんな言葉を使っています。

不思議です。

センサーが無いのにどうして、そう感じるのでしょうか?

最近のクールビズ対応で、室温を28℃に抑えることが多くなりました。

でも残念ながらこの状態では充分な除湿が行われず、不快感を覚える方も多いと思われます。

人体は周囲の環境(温度・湿度・気流・放射熱など)に応じて、熱を放散したり貰ったりしています。

また、人は摂取した食物と酸素をエネルギー源として運動量に応じた熱を体内で生産しています。

これと同じ量の熱を放散している時には、寒さも暑さも感じません。

人体の生産熱と放散熱のバランスが保たれているかどうかが、暑さや寒さの感じ方と大きく関係しています。

夏、長袖の衣服を着ていると暑いのは衣服により放熱が妨げられるからです。

半袖の衣服を着ることで放熱が増え、涼しく感じます。

それでも暑いと感じる時は、外気温度が高くて体内で発生した熱を充分に放散出来ていないことになります。

汗の蒸発(気化熱)による体温調整も放熱策のひとつです。

体温調整のための熱発散メカニズムは、温度が高くても相対湿度が低ければ汗の蒸発という形で行われます。

でも温湿度が共に高い状態では汗は蒸発しにくく、不快感をもってしまいます。

体の廻りの空気が飽和状態に近づくほど、汗は蒸発しにくくなります。

体のまわりには秒速0.15~0.22m/Sというゆっくりとした上昇気流があり、急激な温度変化から人体を守っているそうです。

この空気のベールの温度と体温の差が大きくなれば放熱が増え、小さければ減ります。

夏はその差が小さくなるシーズンです。

だから暑い。

こんな時には、風を利用してベールを剥ぐのも有効です。

ヨーロッパなどは外気の湿度が高くないことから、輻射冷暖房を利用する事が多くなっています。

温度を19℃程度に設定することで快適な室内環境を得ることが可能ですが、これをそのまま日本で使うことはできません。

高湿度の我が国では結露や相対湿度の上昇を招いてしまい、不快感の拡大になるからです。

日本の夏には、やっぱりエアコンだと思います。

温度と共に湿度を下げでくれます。

風量が大きいのが珠に疵ですが、それは建物の断熱・気密性能を向上する事で解決することが可能です。

なにかとイメージの悪いエアコンですが、省エネ性能も抜群です。

エアコンの上手な使い方、考えてみませんか。

 

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